繰り返してしまう好ましくない行動~どうして?減らす方法は? コラム詳細|ふぉぴす

繰り返してしまう好ましくない行動~どうして?減らす方法は?

元特別支援学級教員*東先生

2025/10/03

はじめに

大声で騒ぐ物を投げるなど、何度注意してもまた同じことを繰り返してしまう…
そんなお子さんの好ましくない行動にお困りの親御さんも多いのではないでしょうか。

お子さんが好ましくない行動を繰り返してしまうのには、理由があります。

今回は、好ましくない行動を繰り返してしまう理由とその対応方法についてお話していきますね。

なぜ好ましくない行動を繰り返してしまうの?

では、お子さんはなぜ、好ましくない行動を繰り返してしまうのでしょうか...

その主な理由は、「注目されたいから、安心感がほしいから」だと考えられます。

不安やストレス、満たされない気持ちがあると、お子さんは、親御さんの愛情がほしくなります。

安心感を求めるのですね。
そんなときに、大声を出したり、物を投げたりして、「自分を見て!」とアピールするのです。

そこで、親御さんが「どうしたの?」と反応してくれると、その経験が、「こんなふうにすれば、ママ(パパ)は反応してくれるんだ。」と、お子さんにとって「プラスの経験」となってしまいます。

すると、また同じ行動で、「自分を見て!」とアピールをしてしまうのです。

誤学習してしまうのですね。

親御さんが、「止めなさい!」「何度言ったら分かるの!」と注意した場合も、お子さんにとっては、「反応してくれた=プラスの行動」になってしまいます。繰り返し注意してしまっている場合は、どんどんプラスが強化されていっている状態です。

好ましくない行動を減らす方法

では、お子さんの好ましくない行動を減らす方法を4つご紹介いたしますね。

① 子どもとの関係作りを大事にする(心の土台作り)

お子さんの情緒の安定は、親御さんとの関係がとても大きく関係しています。

一日5分でも10分でもいいので、一緒の時間を過ごせると、お子さんの心が安心感で満たされ、不安やストレスが減ることでしょう。

日々のそうした関わりが、お子さんの心の土台となり、不安やストレスがあっても、折れにくい心を育てていくことができます。

それが、好ましくない行動を減らすことにもつながっていくのです。

② 好ましくない行動には反応しない(誤学習につながらないようにする)

簡単ではありませんが、お子さんが誤学習してしまわないためにも、相手を叩いたり、蹴ったりするような他害行為以外の好ましくない行動には、「反応しないこと」が重要です。

反応しないことで、「この方法では、ママ(パパ)は振り向いてくれないんだ。」という、「マイナスの経験」になるので、好ましくない行動の軽減につながります。

③ 好ましい行動が見られたら、十分褒め、認める

上記とは反対に、良い行動が見られたら、十分褒めて、「それはとても良いことだよ」と、認めてあげましょう。

例えば、普段はおもちゃの片づけを嫌がるのに、今日は片づけを頑張っているようなときに、「おもちゃを片付けられたね。」「最後まで片付けができたね。」など、具体的な言葉で褒めてあげると、お子さんは、「何を褒めてもらったのか」が理解できるので、次への意欲にもつながります。

褒めて認めてあげる場面が増えることで、「自分はできるんだ!」「また次も頑張るぞ!」という気持ちが高まり、不安やストレスも感じにくくなることでしょう。

結果的に、好ましくない行動が減ることにつながります。

④  イラスト等を使い、好ましい行動とそうでない行動について、一緒に考える

子どもは、だいたい3才頃から相手の気持ちを理解する力(メタ認知)が成長していき、好ましい行動とそうでない行動の区別もつくようになってきます。

「そろそろできそうだな」という段階で、イラストカード等を使って、「この行動はいいかな?」、「どんなところがいいと思う?」「こんなときどうしたらいいかな?」など、お子さんに問いかけながら、一緒に考えていくと良いでしょう。

そうすることで、お子さんは親御さんとの時間を共有できるので、心の安定にもつながりますし、どんな行動をとっていけば良いのかを具体的に学ぶ機会にもなります。

まとめ

お子さんが繰り返す好ましくない行動は、「注目してほしい、安心感を得たい」という、お子さんからのメッセージだと考えます。

親御さんにとっては、本当に大変な対応になるかもしれませんが、お子さんとのコミュニケーションを大事にしながら、対応していくことで、必ず減らしていくことができますよ。

お子さんのより良い成長のために、今回ご紹介した方法が少しでもお役に立てましたら幸いです。ぜひ試してみてくださいね。

元特別支援学級教員*東先生

経歴:教員歴14年。特別支援学校、小学校の特別支援学級に勤務

特別支援学校、小学校の特別支援学校にて14年間お子様のサポートを行ってきました。現在は、発達に悩む親御様のご相談をお受けしたり、不登校・勉強が苦手なお子様への家庭教師などを行っいます。お子様や親御様の“困り”の軽減に少しでもお力になれましたら嬉しいです。

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