【就学の悩み】どちらにする?普通級と支援級~選ぶときのポイント~ コラム詳細|ふぉぴす

【就学の悩み】どちらにする?普通級と支援級~選ぶときのポイント~

元特別支援学級教員*東先生

2025/06/02

はじめに

お子さんの就学が近づいてくると、「普通級と支援級どちらがいいのだろう」、「うちの子には、どちらが合っているのだろう」と悩む親御さんも多いのではないでしょうか。
小学校への就学は、子どもにとって、とても大きなステップです。お子さんが安心して学校生活を送ることができるよう、サポートしてあげたいですよね。
この記事では、筆者の小学校・特別支援学校での教員経験を元に、普通級・支援級のそれぞれの特徴や学級を選ぶときのポイントについてお話していきます。

普通級とは?

普通級は、通常級とも呼ばれる学級で、特別なサポートが必要ない、もしくは、少しのサポートで、集団での生活に適応できる子どもが在籍しています。

普通級のメリット・デメリット

普通級は、多くの子どもの中で過ごすので、集団の中で生活していく力・人との関わり方などを学ぶことができます。また、お互いの性格や特徴を知る機会が多くなるので、助け合いの環境も生まれやすいでしょう。

一方で、個々に合った対応が難しく、学習についていけなくなったり、先生の指示が分からなかったりするなど、お子さんの「困り」が増える可能性があります。「困り」が増えると、不安感が強くなり、お子さんとっては辛い状況となってしまうかもしれません。

支援級とは?

支援級は、小学校や中学校に設置されている障害のある子どもが在籍する少人数の学級です。知的障害児学級、情緒障害児学級を設置している学校が多く、その他にも、肢体不自由児学級などを設置している学校もあります。

支援級のメリット・デメリット

支援級は、少人数で学ぶ学級なので、個々に合ったきめ細やかなサポートを受けながら、学習することができます。子どもの発達段階に応じた学習計画が設定され、無理なく力を高めていくことができるでしょう。
また、必要に応じてソーシャルスキルトレーニングや自立活動の時間が設定されることもあります。支援級は、子どものペースに合わせて、心身の成長を図っていくことができると言えるでしょう。

一方で、教師対子どもの関わりが多い傾向があり、また、少人数での学習環境なので、大きな集団の中で生活する力や社会性が身につきにくくなるかもしれません。
ただ、お子さんの実態によりますが、支援級と交流級(普通級)を教科によって行き来する場合も多いため、普通級の子どもたちと関係を築いていくことは可能であると思います。
実際、筆者が担任していた子どもたちも、教科によって普通級で学習していたこともあり、普通級の子どもたちと良い関係を築いていました。

普通級?支援級?学級を選ぶときのポイント

では、どのようなポイントを意識して、学級を選べばよいのでしょうか。ここでは、学級を選ぶときのポイントを3つご紹介します。

①どの程度の支援が必要かを見極める

お子さんは、普段どの程度のサポートが必要でしょうか。以下の4つのポイントで、お子さんの様子を観察してみてください。
【生活面】
食事、衣服の着脱、排泄、手洗いなどが自立しているか、または少ないサポートでできるか
【情緒の安定】
気持ちのコントロールができるか、パニックの有無、パニック時の対処法をもっているか、他害はないか
【行動面】
一定時間着席できるか、突然集団から離れるなどの突発的な行動はないか
【認知面】
一斉指示を理解できるか、または、少ないサポートで理解できるか、通常の授業スピードで理解できそうか

上記4つのポイントで、お子さんの様子を思い浮かべたとき、「サポートは必要なさそう」、「少しのサポートで大丈夫そう」、「たくさんのサポートが必要だな」など、感じることがあるのではないでしょうか。
ここで、お子さんの実態をよく見極めることで、普通級がいいのか、支援級の方が合っているのかが見えてくるかもしれません。

②学校のサポート体制を調べる

学校のサポート体制についても調べておきましょう。サポート体制は、学校によって、また年度によって変わります。事前にどの程度のサポート体制が可能かを知っておくことは大変重要です。
サポートする先生や支援員さんには、常時ついてもらえるのか、それとも決まった授業のみの対応なのか、パニック時にクールダウンできる場があるのかなど、親御さんが知りたいサポート体制を学校に確認してみると良いでしょう。
事前に「こんなサポートは可能か」を相談することで、体制を整えてくれることもあるので、就学予定の学校と連携を取りながら、お子さんにとってより良い学びの場を考えていきたいですね。

③ 子どもの安心感

筆者は、このポイントが一番大切だと考えています。子どもは、一日の大半を学校で過ごします。その場が、「安心感」のある環境でないと、楽しい学校生活を送ることは難しくなると考えているからです。
普通級と支援級と迷ったときは、「うちの子は、どちらだったら笑顔で過ごせるかな」の視点をもって、学びの場を考えてみると良いでしょう。

おわりに

お子さんが就学する学級は、親御さんにとって大きく頭を悩ませる課題ですよね。 お子さんが、「安心感をもって笑顔で過ごせそうな学級はどちらか」を大きなポイントとして考えてみることが大切だと思います。
必要に応じて、就学予定の学校とも連携を取りながら、より良い学びの環境を整えていけるようにしたいですね。

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元特別支援学級教員*東先生

経歴:教員歴14年。特別支援学校、小学校の特別支援学級に勤務

特別支援学校、小学校の特別支援学校にて14年間お子様のサポートを行ってきました。現在は、発達に悩む親御様のご相談をお受けしたり、不登校・勉強が苦手なお子様への家庭教師などを行っいます。お子様や親御様の“困り”の軽減に少しでもお力になれましたら嬉しいです。

せのびーる

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