「授業についていけなくて学校が嫌…」親ができるサポートは? コラム詳細|ふぉぴす

「授業についていけなくて学校が嫌…」親ができるサポートは?

元特別支援学級教員*東先生

2025/10/13

はじめに

子ども

学校生活は、友達や先生と過ごせる楽しい時間でありながら、一日の大半は、国語や算数などの教科学習が占めています。
その学習でつまずきがあると、「自分はできないんだ」と、自信をなくしてしまい、学校生活が嫌になってしまう可能性も…。

今回は、授業についていけなくなる理由とそれが原因で学校が嫌になってしまう場合の対応方法についてお話していきますね。

どうして授業についていけなくなるの?

勉強をする子供

授業についていけなくなる理由は、多岐にわたり、1つに絞ることは大変難しいです。
考えられる主な理由について4つ挙げていきますね。

①基礎の定着が不十分

どこかの段階で、「分からないところ」をそのままにしてしまい、積み上げが難しくなっているかもしれません。結果、基礎の定着が不十分になっている可能性があります。

②学習への意欲が低く、集中力が持続しない

「勉強は面倒くさい」と思い込んでしまい、学習意欲が下がっている状態です。
学習意欲が低いと、集中することも難しくなってしまうため、結果的に授業についていけなくなる可能性があります。

③勉強の仕方が分からない

勉強の仕方・コツがつかめず、学習への難しさを感じてしまっているかもしれません。

④授業の中で“困り”(発達特性)がある

「聴覚過敏がある」、「黒板の文字をノートに写すのが苦手」など、学習の中で“困り”(発達特性)がある可能性が考えられます。
この場合、“自分の抱えている困り”に気付いていないお子さんも多く、「どうして自分は、みんなと同じようにできないんだろう」と、どんどん自信をなくしてしまうパターンも少なくありません。

上記のような理由で、他に得意をもっていたとしても、学習が中心である学校生活の中では、「自分は勉強が全然できない」と、自信をなくしてしまい、結果的に学校が嫌になってしまう可能性があります。

授業についていけず、学校が嫌になってしまったら…

ランドセルと子ども

では、授業についていけないことが原因で、学校が嫌になってしまったらどうしたらいいのでしょうか。以下に5つの対応方法をお話していきますね。

①家庭でのコミュニケーションを密にする

お子さんの心の安定は、親御さんとの関わりが大きく関係しています。
1日に数分でいいので、お子さんの話を否定せず、聞いてあげてみてください。続けることで、お子さんの中で、「ママ(パパ)は、自分の話を聞いてくれる!」という安心感が生まれてくるはずです。

もしかしたら、お子さんから「算数で困っているんだ…」などの発信があるかもしれません。それは大きなチャンス!学習のつまずきに早めに対処できるからです。

実際、私は日々の会話の中で、息子のいろいろな困りやつまずきに気付き、早めに対処するよう意識しています。

②得意なこと・好きなことを大事にする

得意なことや好きなことは、生きていく上で最強ですし、今は、学習やこの先のお子さんの人生と何も関係ないように見えても、何かしらつながっているものです。

外遊び、ゲーム、絵を描く…何でも良いですが、得意なことや好きなことは、粘り強さ、集中力、判断力、想像力などなど、たくさんの力をお子さんにつけてくれます。それは、お子さんが生きていく上で、何にも代え難い大きな力となります。

①②を通して、日常的にお子さんとのコミュニケーションが密に取れるようになると、③以降のサポートがとてもスムーズになります。

③授業で分からないときの対処方法を親子で一緒に考え、先生と共有する

「先生に聞く」や「友達に教えてもらう」など、お子さんと会話しながら、授業で分からないことがあった場合の対処方法を決めましょう。

最終決定権はお子さんになるようにしてくださいね。

対処方法が決まったら、先生にも共有し、お子さんがスムーズに実践できる環境を整えてあげましょう。
お子さんが「自分で決めた方法」を実践できたら、お子さんにとっては自信につながりますし、「分からないところが分かる!」に変化していく可能性がどんどん高まります。

④先生との連携を密にする

お子さんとの会話の中で見えてきた“困り”を先生に共有しましょう。

共有することで、先生も気にかけてくれますので、「知っていてもらう」ことは、大変重要だと考えています。
必要に応じて、お子さんのサポート体制を整えてもらうなどの対応も大事になってくるかもしれません。
また、学習で自信をなくしてしまっているお子さんですから、学習以外のところで、認めてもらえるような状況を作ってもらえるとさらに良いと思います。

⑤合理的配慮をお願いする

「聴覚過敏がある」、「黒板の文字をノートに写すのが苦手」など、授業の中で“困り”(発達特性)を抱えている場合、学校に合理的配慮をお願いするのも1つの方法です。

「聴覚過敏がある」場合

  • いすや机に緩衝材をつけてもらう。
  • 必要に応じてイヤーマフを使用する。

「黒板の文字をノートに写すのが苦手」な場合

  • 板書を事前にプリントアウトしてもらい、ノートに貼る。
  • 板書をタブレットで撮影し、手元で見られるようにする。

お子さんに合った合理的配慮を実践してもらうことで、スムーズに学習に参加できるようになる可能性が高くなります。

まとめ

勉強が楽しい子どもたち

お子さんが授業についていけず、学校が嫌になってしまうのは、とても悲しいことですよね。一緒に会話をしながら、先生と連携しながら、より良いサポート方法を見つけていただきたいなと思います。

それから、お子さんの得意なことや好きなことを存分に認めてあげてくださいね!

それが、お子さんの「これならできる!得意!」「挑戦したらできるかも!」という自信の土台になっていきますから

元特別支援学級教員*東先生

経歴:教員歴14年。特別支援学校、小学校の特別支援学級に勤務

特別支援学校、小学校の特別支援学校にて14年間お子様のサポートを行ってきました。現在は、発達に悩む親御様のご相談をお受けしたり、不登校・勉強が苦手なお子様への家庭教師などを行っいます。お子様や親御様の“困り”の軽減に少しでもお力になれましたら嬉しいです。

せのびーる

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