「おむつじゃなきゃダメ…」トイレで排泄しない子のトイトレ対策まとめ
作業療法士*てつ先生
2025/12/24
トイレで排泄しない子どもに悩む保護者は多い

トイレではいせつができるようになる年齢は主に幼児期といわれていますが、それ以降の時期でもはいせつに関する悩みは多いです。トイレの自立は、障害の有無に関わらず家族にとって大きな関心事の一つではないでしょうか。
トイトレが進まないのは「よくあること」
幼児期の頃になると、子供は食事や着替え、はいせつのトレーニングなどの日常的な行動を学ぶ中で「一人でもできる」経験を積んでいきます。その積み重ねにより、お子さん達は自信を高めていきます。私の今までの経験をもとに、トイレに関する悩みを例に挙げますと「トイレでははいせつしない」「下着が濡れていても気にしない」「おむつの中でしかはいせつをしない」「お家以外のトイレを使えない」などの悩みが特に多く聞かれます。
焦らずに「今の状態」を観察しよう
今回は、いくつかのトイレで排泄をしないお子さんに対する支援方法をご紹介していきたいと思います。目次
- トイレで排泄しない子どもに悩む保護者は多い
- トイレに誘うベストなタイミングとは?
- 叱らない!トイレトレーニングで大切な「褒める」関わり
- トイレに親しむための工夫いろいろ
- おむつが濡れても気づかない子へのサポート
- 身体の発達もトイトレに関係している?
- 焦らず、叱らず、ゆっくりステップアップを
トイレに誘うベストなタイミングとは?

朝・食後など「習慣化」しやすい時間を決める
お子さんをトイレに誘うタイミングとしては、朝起きた後や食後など、何かをした後にトイレに行くようにすると「トイレに行く」タイミングがわかりやすくなり、習慣化に繋がります。
頻繁すぎる誘いは逆効果になることも
トイレに頻繁に連れて行き過ぎないことも大切です。おしっこをある程度溜めることで、膀胱にためる感覚が身につき、適切なタイミングでトイレに行くことができるからです。叱らない!トイレトレーニングで大切な「褒める」関わり

小さな成功を褒めて自信につなげよう
トイレに行きたがらないからといってお子さんを怒ったり、叱ったりするのはNGです。逆にトイレを嫌いになってしまうかもしれません。はいせつが難しくても、トイレに座れただけでも大いに褒めてあげましょう。
「ご褒美シール」でトイレをポジティブな場所に
最初は、トイレで排泄が出来なくても、決まった時間帯に便器に座ることが出来たらご褒美シールをあげましょう。その時に褒めてあげることも大切です。徐々に便器に座る機会が多くなれば、自然とトイレではいせつができてきます。 ご褒美として「ご褒美シール」などを使い、お子さんの達成感が得られるような支援も大切です。トイレに親しむための工夫いろいろ

トイレをテーマにした絵本でイメージづくり
発達障がいのお子さんは、身体の感覚が曖昧なことが多く、身体イメージをとらえる事に対して苦手意識があります。そのような場合は、お子さん自身ではいせつがテーマの絵本を見て、トイレの大切さを知るとよいでしょう。これは、はいせつに対する意識付けだけではなく、絵を見ながら排泄について学ぶことでより理解が深めることができます。
好きなキャラクターで「楽しいトイレ空間」に

また、トイレが楽しくなるように、お子さんの好きなキャラクターをトイレの壁などに貼ったりするなどの工夫もできます。まずは、便器に座ることから始めてみましょう。これは、無理にはいせつを目的とせずに、トイレとはどのような物なのかを知る機会を作る事も目的としています。嫌々お子さんをトイレに誘うのはNGですので、トイレの場所が楽しいと思える環境作りを意識してみましょう。
おむつが濡れても気づかない子へのサポート

布パンツで「濡れた」「気持ち悪い」を体験
おむつが濡れていても気にしないお子さんも多いのではないでしょうか。濡れていても気付かないお子さんは、身体の感覚が鈍いお子さんが多い印象を受けます。パンツが濡れている感覚を掴むためには布パンツを穿かせてみてはいかがでしょうか。
「不快→快」を体感することで意識が変わる
布パンツが濡れていたら気付きやすいうえ、新しいパンツに取り換えた時のスッキリした気持ちも経験することができ「不快→快」を体感することで意識が芽生えます。身体の発達もトイトレに関係している?

身体の感覚が育つことで「排泄の自立」が進む
発達障がいのお子さんは、身体の機能の発達の遅れから、動きの鈍さや触れられた感覚を感じ取りにくい苦手さがよくみられます。そのような症状は「不器用」として現れることがあります。そのような身体の扱いにくさがあれば、トイレに限らず、様々な日常生活動作の苦手さに繋がる可能性もあります。そのような理由から、トイレトレーニングと並行して、身体の機能の発達を促すことも大切です。
運動遊びや感覚遊びで身体の使い方を育てよう
お子さん自身の身体の機能が発達し、自分自身で「扱いやすい身体」となれば、はいせつの自立だけではなくお子さんの身体で関われる日常生活動作が広がることに繋がります。トイレトレーニングも大切ですが、実は身体の機能の発達の遅れにより、上手にトイレに関われない事も考えられるのです。お子さんには、たくさん身体を動かせる機会を与えてあげましょう。
焦らず、叱らず、ゆっくりステップアップを

「できた!」を積み重ねて自信を育てる
お子さんにとってはいせつとは、遊ぶことと比較するとどうしても好ましいものと感じにくいかもしれません。最初は、どうしてもトイレに行くことに対して、面倒くさいことになってしまったり、嫌になってしまうことは仕方がないことかもしれませんね。発達障がいを抱えているお子さんなら、なおさら自立するには時間がかかってしまうとおもいます。
子どもは必ず成長する ― 親が安心できる関わり方を

今回ご紹介した、支援方法の中でも、お子さんの好きなキャラクターのシールをトイレの壁などに貼ったり、ご褒美シールなど工夫次第でお子さんが「トイレは楽しい」と感じることができれば、はいせつの自立に一歩近付くことができるかもしれません。やはり、叱ることは逆効果になってしまうので、便器に座れたこと、トイレでパンツを交換することができたことなど、小さな成功でもお子さんをしっかり褒めてあげることが大切だと私は感じます。私自身の子供の頃は、トイレの失敗ばかりして怒られ、トイレに行くことが面倒くさく感じることがありました。焦らず、お子さんの成長に合わせて関わってみてはいかがでしょうか。子供は必ず成長するので安心してください!

作業療法士*てつ先生
経歴:作業療法士歴11年
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。





