【作業療法士が教える】食事中に立ち歩いてしまう子へのサポートは?

作業療法士*てつ先生

2025/02/16

はじめに

幼児期の頃は、食事中でも歩き回ったり、何かに気を取られてしまうことが多くあります。
年齢が上がるにつれて少しづつ落ち着いてきます。しかし、学童期などの小学生になった頃でも、そのようなことがあればもしかしたらサポートが必要になってくるかもしれません。

食事中にじっとすることが苦手なお子さんへの支援としてポイントとなるのが「環境を整えてあげる」ことです。 環境とは、お子さんが座る椅子などの家具や食事をしている環境のことをいいます。
今回は、この環境を整えることを意識しながら食事中にじっとできないお子さんへの対応をご紹介していきます。

食事中にじっとすることができない子の特徴

1.姿勢を保つ筋力が弱い

体幹の筋力が弱いお子さんは、椅子に座っていても身体が丸まってしまう傾向があります。 さらに、身体が丸まっていくうちに机などに肘をついて食べることもあります。
椅子に座る時は、体幹の筋力が常に働いている状態にあります。
この体幹の筋力が弱いことにより、食事中の姿勢が段々と悪くなっていき、だらだらとした食べ方になってしまいます。
このだらだらした食べ方により、集中して食事をとることも難しくなってしまいます。

2.注意力の散漫

発達障がいのお子さんの中には、周囲の音や雑音が気になってしまい、食事に集中することが難しいこともあります。
私が今まで見てきたお子さんに多く見られているのが、施設に前に救急車が通るとその音に反応してしまい、食事中にもかかわらずその音がする方向に行ってしまうこともあります。

3.感覚過敏

発達障がいのお子さんは、感覚過敏が見られることがあります。食べ物の感触や食感を不快に感じてしまうことがあります。
この感覚過敏が原因で食事に集中することが苦手になってしまう場合もあります。

食事中にじっとすることができない子への関わりかた

1.短い食事時間から始めていく

じっと座ることが苦手なお子さんは、集中力も切れやすいため、最初は短い時間からの食事時間が理想的です。
例えば、5分間だけ座って食事をしてほしいことをお子さんに伝え、5分間も難しい場合は3分間から始めるなど、お子さんに合わせた時間を設定してあげるとよいでしょう。
短い時間でも座ることが出来たら褒めてあげることも大切です。

2.食事環境を整える

椅子やテーブルの高さをお子さんに合わせた物に調整してあげることも大切です。椅子に座る時は、お子さんの両足底が床にぴったり着く姿勢が理想です。
両足が床につかないで座ってしまうと足をぶらぶらさせたりと、その動きが集中力を妨げてしまうことも考えられます。足の裏をしっかり床に着けた状態で座ることで姿勢も安定することができ、食事がしやすくなります。

テーブルでは、両肘の高さがテーブルの高さと同じ位置につくことが理想です。肘とテーブルの高さが合っている位置が理想であり、逆にテーブルが高すぎたり、低すぎると身体が自然と丸まったり、反り過ぎてしまい食べずらくなってしまいます。

おわりに

どうしても食事中に立ち上がったり、走り回ったりしてしまう時はお子さんを叱り、上手に食べることや座ることが出来た場合は、褒めてあげるなど、食事に対するお子さんへの接し方にめりはりをつけてあげることが大切です。
叱ってばかりいると食事に対するネガティブな思考がついてしまい、食事に対して苦手意識ができてしまうかもしれません。
小さなことでも上手にできればそれは成長の第一歩かもしれません。

作業療法士*てつ先生

経歴:作業療法士歴11年

作業療法士として働いています! 感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。

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