作業療法士が教える☆トイトレ攻略法 コラム詳細|ふぉぴす

作業療法士が教える☆トイトレ攻略法

作業療法士*こーすけ先生

2025/06/16

親子で笑顔!トイトレ大作戦

子育ての中でも、トイレトレーニング(通称トイトレ)は、大きな節目のひとつです。オムツからパンツへの移行は、子どもの自立を感じられる喜ばしい瞬間であると同時に、多くの親御さんにとって悩みや不安の多いプロセスでもあります。
今回は、トイトレを進める上での基本的なポイントと、親や支援者としてできる具体的なサポート方法について、専門的な視点からお伝えします。

トイトレを始める前に確認しよう!

まずは、トイトレが成功するためには、土台が出来ている事が前提になります。
次にあげることができる必要があります。

・オムツが濡れる前や後に表情や態度で反応がある
・「トイレは排泄の場所」であるという認識がある
・パンツやズボンの上げ下げをある程度自分でできる

これらができるようになることで、トイレでの排泄の自立に近づきます。

タイプ別に対応しましょう!

オムツが濡れても気にしない子

尿意・便意の感覚がまだ未発達な場合、オムツの中で排泄しても本人に不快感がなく、そのまま過ごしてしまうことがあります。このような状態が続くと、オムツでの排泄が「当たり前」になってしまい、トイレで排泄をする習慣をつけるのが難しくなります。 そのような場合は、布パンツを使用することで、「濡れて気持ち悪い」という感覚を感じてもらうようにします。 床や衣類の汚れ対策として、着替えの準備をしっかり整えておくと、大人のストレスも軽減されます。失敗しても叱らず、「あ、濡れちゃったね。次はトイレでしてみようか」と肯定的な声かけを心がけましょう。

トイレ以外の場所で排泄してしまう子

発達に特性のあるお子さんや、知的な理解に時間がかかるお子さんの場合、「排泄はトイレでするもの」という概念の理解に時間がかかることがあります。 このような場合は、トイレへ食後や起床後など時間を決めて誘導することで、「トイレ=排泄の場所」という理解を育みます。 トイレで排泄できたら、大げさなくらい褒めてあげると次からもトイレで排泄をする行動が起こりやすくなります。また場所の視覚的理解を助けるため、トイレのマークなどのピクトグラムを使うのも有効です。

感覚過敏で困難な子

トイトレのつまずきの背景には、次のような感覚の特性が隠れている場合があります。 感覚過敏のあるお子さんは、トイレの水の音が苦手、照明が明るくて入りたくないなどの様子が見られることがあります。 このような場合は、音が苦手なら流水音を録音して慣れさせる、照明を暖色系の灯りに変更してみるなど工夫が有効です。

ズボンを上手にあげられない子

小さなお子さんにとって、お尻は自分自身で直接見えないため、その位置や動きをイメージしにくい部位のひとつです。そのため、ズボンを最後まで引き上げる感覚がつかみにくいことがあります。 ズボンをあげる練習として、一つめに、お尻にシールを貼って剥がす遊びをします。 かわいいシールをお尻のあたりに軽く貼り、シールを剥がしてもらいます。直接見えないお尻に対して意識を向けることが自然とできるため、ズボンを引き上げるという動作に意識を向けられるようになります。 二つめは、親子で鏡を使って一緒に練習をします。鏡の前に立ち、親と一緒にズボンをあげる動作を確認しながら行う方法も効果的です。鏡に映る自分の姿を見ることで、「どのくらいズボンが上がっているか」が視覚的にわかり、自信にもつながります。

親が一人で抱え込まないために

保育園・幼稚園の先生、児童発達支援のスタッフ、医療機関の専門職(作業療法士・言語聴覚士など)と連携することで、家庭でのサポートにも客観的な視点や具体的なアドバイスを取り入れられます。 また、親同士の交流やSNSなどで情報を共有することも、「私だけじゃない」という安心感につながります。 トイトレは、子どもにとっての自立の一歩であり、親にとっても学びと挑戦のプロセスです。失敗や後戻りがあっても大丈夫。大切なのは、「親子で笑顔で取り組む」こと。 焦らず、比較せず、その子のペースに寄り添っていけば、必ずトイレの自立の日はやってきます。今日の一歩が、明日の成功へのステップになりますように。

作業療法士*こーすけ先生

経歴:発達障害を抱える方を支援して10年。現在は訪問リハビリに従事しています。

子どもの「できた!」を増やすお手伝いをしています。

せのびーる

作業療法士*こーすけ先生 さんの他の記事はコチラ

もっと見る

関連コラムのご紹介

もっと見る

戻る