【読み書きや場所を覚えるのが苦手?】知覚や認知のおうち療育紹介!
作業療法士*てつ先生
2024/11/15
はじめに
知覚や認知能力とは何?と思われる方も多いと思います。 知覚や認知能力は様々な概念があり、全てを理解することは難しいため、 今回は知覚と認知能力の代表的な感覚でもある「方向感覚」と「構成能力」についてご紹介していきたいと思います。
方向感覚とは?
方向感覚とは専門用語では「地誌的見当識」といいます。 知っている場所などで迷うことなく移動したり、知らない環境でも道をどのように見つけ出すかを学ぶ能力のことです。 この方向感覚の能力が低いお子さんは、初めての場所で明らかになる事が多いです。 そこまで広くない建物の中でも、道筋を覚えるのに時間を要するお子さんもいます。 方向感覚に関しては、道に迷うことだけではなく、自分の机やロッカーがどこにあるのかがわからないこともあります。 学校生活で特に支障をきたしてしまうかもしれません。
構成能力とは?
構成能力とは、物の位置関係、形、大きさを正確に認識する能力です。 この構成能力に代表されるのが描画や模写のことをいいます。 よく子供の知能検査の問題にも出題される事が多いです。 模写とは、目の前にあるモデルを模写したり、過去の記憶した物を想起しながら模写する能力のことです。 描画は、絵や文字を描くことであり、単純な線の描写から言葉の指示に従って描画する場合もあります。 構成能力に苦手さが見られるお子さんは、形を見分ける能力や過去の記憶から形を書き出す能力に困難を示すことが多いです。 学校生活に影響することは、文字をマスの中に収めて書くことが苦手であったり、 さらに字を書く時に平行に書くことが難しく、単語を構成する文字と文字の間を取り過ぎたり、繋がってしまうこともあります。
方向感覚が苦手な子への支援
自分の机やロッカーなどの場所がわからないお子さんには、視覚的な援助が効果的です。 机やロッカーにわかりやすい目印を貼ることで、簡単に方向の手がかりを示すことでお子さんの援助がしやすくなります。 方向の学習を学ぶ場合は、周囲の大人が適切な方角の記憶を促すためにお子さんに言語化を促すような実践が必要です。 例えば、「〇〇の部屋に行くにはどうやっていく?」などの声かけをしながらお子さん自身に返答してもらいながら学習していくこともできます。 また、必要ならば道順を書くことも効果的です。
構成能力が苦手な子への支援
構成能力を高めることは、文字の読み書きがスムーズになったり、絵を上手に描けるようになること、部屋の片付けや整理整頓も得意になります。
この構成能力を高める方法としては、子ども達の普段の遊びの中でも鍛えられることができます。
代表的な遊びとしては、以下のようなものがあります。
・折り紙
・ブロック
・パズル
・鬼ごっこや遊具で身体を動かす遊び
折り紙は、立体的に物を作るため、構成能力の向上に役立つ遊びです。
折り紙を完成することができなくても、折り紙をする工程を経験することが大切です。
それだけでも十分に構成能力を養うことが出来ます。
鬼ごっこは、鬼に捕まらないように周囲の状況を把握し、相手の鬼との位置関係を意識することができるため、自然と物との位置関係を把握する力を養うことができます。
このように、折り紙やパズルだけではなく、身体を動かす運動遊びも効果的です。
子ども自身の視野でたくさんの移り変わる場面や状況をその遊びを通して体験することが構成能力の向上に役立ちます。
おわりに
何気ない遊びの中でも方向感覚や構成能力を鍛えることができる遊びはたくさんあります。 ブロックやパズル、折り紙、鬼ごっこなどは、子どもにとって馴染みのある遊びでもあり、簡単にできる遊びではないでしょうか。 例え、上手くいかなくても経験することで方向感覚や構成能力を鍛えることができます。 様々なことにも言えることですが、結果よりも何かを経験する工程が一番子ども自身を成長させる糧になると思っています。
作業療法士*てつ先生
経歴:作業療法士歴11年
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。