【言語聴覚士が教える!】言葉の遅れと発達障がいは関係あるの?
言語聴覚士*はる
2025/08/04
大切なお子さまの発達を見守るために

お子さまの成長を見守るなかで、
「同じ年齢の子に比べて言葉が遅い気がする…」と不安に感じられる保護者の方は少なくありません。
言葉の遅れにはさまざまな要因がありますが、その中には「発達障がい」と関連しているケースもあります。
今回は、言語聴覚士の視点から、
言葉の発達と発達障がいの関係、早期発見の大切さ、ご家庭でできるサポートについてご紹介します!
言葉の遅れとは?

言葉の遅れとは、一般的に「月齢や年齢に応じた言語の理解や表現が十分に育っていない状態」を指します。
例:
・2歳を過ぎても単語があまり出てこない
・3歳になっても二語文が出ない(例:「ママ きて」「ワンワン いた」など)
・話しかけても、あまり反応がない
・他の子と比べてコミュニケーションが取りにくい
・目が合わない など
言葉の発達には個人差がありますが、一定の目安を大きく外れる場合には、何らかのサポートが必要になることもあります。
その場合はお住まいの保健センターで行われている定期健診やかかりつけの小児科で相談してみると、必要に応じて言語聴覚士がいる療育施設や外来リハビリが受けられる可能性があります。
発達障がいとことばの関係

言葉の遅れの背景には、聴覚や認知の問題、環境的な要因など様々な原因があります。
そのなかで、発達障がいの一つである自閉スペクトラム症(ASD) や 知的発達症(知的障がい) が関係していることもあります。
自閉スペクトラム症(ASD)の特徴:
・目が合いにくい、名前を呼んでも反応が薄い
・一人遊びが多く、集団に入るのが苦手
・決まったやり方に強いこだわりがある
・言葉の遅れ、あるいは一見ペラペラ話すが会話のやりとりが難しい
知的発達症(知的障がい)の特徴:
全体的な発達(運動、ことば、生活スキルなど)がゆっくり
・指示の理解が難しい
・経験の積み重ねや模倣が難しいことがある
これ以外にもさまざまな特徴があったり、診断のつかない発達に遅れがある子供というのは少なくなかったりするので、一概にこれだ!と思い込みすぎず何か心配がある場合は専門機関に相談をしてみるとよいでしょう。
保護者としてできるサポート

お子さまの言葉の発達を促すために、日常生活の中でできる工夫があります!
1. ゆっくり・はっきり話しかける
お子さまの目線に合わせ、短くてわかりやすい言葉で話しかけましょう!
ゆっくり話しかけても反応がなかったり、理解していなかったりする様子がある場合は指差しやジェスチャーなど動作を用いてわかりやすいように工夫をすると伝わりやすい場合があります。
2. 共感をもって応答する
お子さまが指さしたものや音に反応した時、「ワンワンいたね!」「バナナ食べたいの?」など、ことばを添えてあげましょう。
伝えようとしているときに相手からアクションがあると、子どもはうれしく思いもっと伝えたい!とコミュニケーション意欲が伸びます。
3. 無理に言わせようとしない
「ちゃんと話して!」と強く言うよりも、
お子さまの気持ちに寄り添う関わりが大切です。
早めの相談が安心につながります!
「少し心配だけど、様子を見ようかな」と思う気持ちも自然なことです。しかし、言葉の発達が気になる時には、なるべく早く専門家に相談することをおすすめします。
保健センターや子育て支援センター、小児科、療育機関などでは、無料で発達相談を受け付けていることが多くあります。
最後に

お子さま一人ひとりの発達には、個性とペースがあります。
「言葉が遅い」と感じた時に、焦ったり比較したりする必要はありません。
大切なのは、お子さまの「今」の姿を受け止めて、少しずつ一緒に進んでいくことです。
もし不安がある時には、どうか一人で抱え込まず、私たち専門職に相談してください。
お子さまとご家族が安心して前に進めるよう、全力でサポートいたします。

言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに