【体験談】こんなときどうする?発達障害児の困りごと
当事者ママ*まき
2024/06/26
発達障害を持つ子供は、さまざまな場面で問題行動を起こしてしまうことがあります。 今回は、自閉症の子供を持つ我が家が実際に子育てしている上での困り事を、対処法とあわせてお伝えしていきます。
言葉よりも先に手が出てしまう
発達障害児の多くは、感情を言葉にして伝えることが苦手です。我が子もそのひとりで、自分の意見が通らなかったときやゲームに負けてしまったときなど、「嫌だった」という感情を言葉にして伝えることができず、先に手が出てしまうことも。子供自身も、手を出してしまうことはいけないことだとわかっていながらも、感情をうまくコントロールすることができずに手が出てしまうのです。これを解決する方法として、我が家では常にいまどんな気持ちなのか、言葉にして伝えるトレーニングをしました。
我が子はなにかを訴えるとき、必ずと言っていいほど癇癪を起こすので、いったんその気持ちを落ち着かせ、「いまどんな気持ちでなにをしたいのかゆっくりと教えて」と問いかけます。子供が癇癪を起こすと親も冷静さを失って叱ってしまうことも多いのですが、逆効果となってしまうため、常に冷静に対応できるよう心に余裕を持つことを意識しました。
場にふさわしくない行動をしてしまう
幼児期の頃からどこへ行っても大きな声で騒いでしまったり、走り回ってしまったり、とにかく落ち着きのなかった我が子。そこで、場にふさわしくない行動をしてしまった時、どうしてそれをしてはいけないのか子供にゆっくりと説明するところから始めました。そして、病院では小さな声で話すこと、飲食店やスーパーでは走らずに歩くことなどの最低限のマナーやルールを教えました。病院や飲食店などは幼児期から行く頻度が多い場所でもあったため、毎回行くたびに口うるさく言っていたように思います。
現在小学生になった我が子ですが、「ここは静かにする場所だよ」と言うときちんと理解し、行動できるようになりました。生きていく上では、最低限のマナーやルールがあるため、幼児期から根気強く教えていく必要があると思います。
相手の話を最後まで聞けない
我が子は、お友達が話している途中でも思いついたことを割り込んで話してしまう癖があり、コミュニケーションがうまく取れていないことがありました。ワーキングメモリーが低い我が子は、思いついたときに話をしないと忘れてしまうため、無意識のうちに会話に割り込んでしまっていたのです。そこで、家庭内では「いまはお母さんが話しているから終わったら話を聞かせてね」と言い、相手の話を聞く練習と会話の順番が来るまで待つという練習を常にしていました。順番を待つ練習をすることで、言いたいことを忘れてしまい怒ることもありましたが、「また思い出したら教えてね」と言い、こちらも根気強く続けていきました。この時一番意識したのは、話を聞けたことに対して褒めること、そしてその後の子供の話をしっかりと聞いてあげることです。そうすることによって、相手の話を聞けば自分の話も真剣に聞いてもらえるという学習に繋がるのです。
いまもまだ自分の番を待てずに話してしまうときがありますが、「いまは話す番じゃないよ」と教えると待つことができるようになりました。
こだわりが強く相手の気持ちまで理解できない
発達障害を持つ子供は、相手の気持ちを理解することが難しい場合があります。例えば、お友達と一緒にブランコがしたいのに、そのお友達はサッカーがやりたいと言ったとします。すると、我が子の場合「自分はお友達と一緒にブランコがしたいと言っているのに、なぜやってくれないの?」と怒ってしまいます。遊びにこだわりがあり、相手の気持ちまで理解できていない為、自分の気持ちを理解してもらえなかったと思い癇癪に繋がるのです。 そこで、我が家では自分の気持ちと相手の気持ちが常に同じではないこと、そして人それぞれいろんな気持ちがあっていいことを伝え続けました。
その結果、いまはお友達と同じ気持ちになったときは同じ遊びをし、違う気持ちのときは無理に一緒に遊ぶことはせず、相手の気持ちも理解しつつ関わりを持つことができるようになりました。
まとめ
今回は、我が子を育てていて実際に起こった困り事と、その対処法をお伝えしました。子供が普段からどんなところでつまずいているのかをしっかりと見極め、日々の生活の中に取り入れ習慣化することによって、できるようになることがたくさんあると思います。子供が少しでも生きやすい環境になるよう、関わり方を工夫していけたらいいですね。
※この記事は体験談として掲載させていただいております。同じ行動が見られたからと言って必ずしも発達障害ということではありませんので、気になる症状がある方は医療機関への受診をお願いいたします。
※写真はイメージです。
当事者ママ*まき
経歴:保育士資格保有
発達障害の子供を育てる2児の母です。毎日明るく楽しくをモットーに子育てしています。