【体験談】息子がASDと診断されるまでの葛藤(後編) コラム詳細|ふぉぴす

【体験談】息子がASDと診断されるまでの葛藤(後編)

みさねこ

2025/06/18

はじめに

前回までは、息子の成長に違和感を覚え始めた頃から、保育園生活を通して
「やっぱり息子は発達障害なんだ」と核心するまでの、心の変化についてお話ししました。

最終回の今回は、「発達診断を受けよう」そう決心した、保育園でのある出来事について書きたいと思います。

発達診断を受けるきっかけ

「やっぱり息子は発達障害なんだろう…」頭ではわかっていました。 でも、まだどこかで「息子は違う、大丈夫」と目を背けながら、必死に毎日を過ごしていました。

そんなある日、保育園から一本の電話がかかってきました。

「園内で出血するほどの怪我をしたため、念のために主治医の小児科へ連れて行きました」という報告でした。
幸い怪我は軽いものだったため、早退はせず、いつも通りの時間にお迎えに行きました。

その際に、主治医の先生からこう言われたと、園長先生から告げられました。
「この子、ちょっと発達が気になるね。
お母さんは何か言ってない?」

その言葉を聞いた瞬間、涙があふれました。

なぜなら、主治医の小児科は、発達クリニックでもあり、1歳半健診で紹介された発達機関の一つだったからです。

発達診断を受けよう

母親として、ずっとわかっていた。わかっているのに、ずっと目を背けてきた。

「言葉の遅れがあった。表情も少なかった。”逆さバイバイ”もしていた」
それでも「息子は発達障害じゃない」と思いたかった。
「保育園の集団生活の中で成長するかもしれない。もう少しで言葉が出てくるかもしれない」そんな淡い期待も抱いていました。

ですが、発達専門の医師が「発達が気になる」と言うのです。
目を背けていた現実が、目の当たりになりました。

泣いて言葉が出ない私に園長先生がこう言ってくれました。
「お母さん、ずっと一人で抱えて辛かったんですね。
一緒に息子くんを育てていきましょうね」

涙が止まりませんでした。

「息子のために、ちゃんと向き合おう」
そうして、発達診断を受ける決意をしました。

診断結果と向き合って

その後、主治医の発達クリニックに発達診断の予約をしました。

3ヶ月後の予約となり、発達検査は言語聴覚士などと、一緒に行われました。

検査から1ヶ月後、息子が2歳7ヶ月の時に
「ASD(自閉症スペクトラム)」
「軽度知的障害」と診断されました。

ずっと抱えていたモヤモヤが、終わりを迎えた瞬間です。

頭ではわかっていました。
受け入れる覚悟もできていました。

できていたはずなのに、医師の口からその言葉を聞いた瞬間、
頭が真っ白になり、さまざまな思いが頭の中を駆け巡りました。

「息子は、やっぱり発達障害なんだ…。」

「いや、発達障害だとわかって良かったじゃない。ずっとモヤモヤしていたんだもん。」

「それに、方向性が見えてこれから息子にしてあげられることが増えるんだ!」

・・・・・

「本当に良かったの?」

「良くない、わかりたくなかった!!」

『息子さんは発達障害ではありませんでした』そう言ってもらいたかった。」

そんなことを考えている中、医師からは今後の療育についての説明をされていました。

ですが、医師の言葉は、まったく頭に入ってきません。

涙があふれました。
次々と頬を伝い、止めようとしても止まりません。

医師の説明を必死に書き留めようとしましたが、涙で目の前が見えません。
その後もひたすら泣くしかありませんでした。

少しずつ現実を受けいれて

私は、本当にたくさんの葛藤を経て発達診断を受けました。

「息子は発達障害かもしれない…」という違和感を覚えてから、
診断を受けるまでに約1年半がかかりました。

診断を受けた後も、
「現実を受け止めたくない気持ち」と「息子のためにできることをやろう」という
気持ちが入り混じっていました。

ですが、療育に通いはじめ「息子は発達障害」という現実を少しずつ受け入れていきました。

発達診断を受けるまで、本当にさまざまな思いや葛藤があると思います。

でも、その分親が向き合えば、
子どもにしてあげられることが多くなると思うんです。
俗にいう、発達っ子の「困り事」。
親目線だと、「一筋縄ではいかない子育て」に困っている。
子ども目線だと、「うまくできない、うまく伝えられない」と感じて困っている。

親も子どもも「困り事」を減らしたり、改善できる機会の一つになるのではないかと思っています。
実際に、私と息子がそうだったからです☺️

私の子どもに生まれてくれて、ありがとう

何かの記事で「発達障害の子育ては『一気に10人育てているようなもの』」と見たことがあります。「10人は言い過ぎ?(笑)」と思いますが😂

年相応の子どもを育てたことがないので、違いがわからないものの、
たしかに大変でしたね~!
特に2~3歳のイヤイヤMAX期!

でも、その分できることが増えると、よろこびは100倍!

息子の成長が何よりもうれしいんです。
今では「息子よ、私の子どもに生まれてきてくれてありがとう!😆💓」そう心から思っています。

たくさん悩み、迷いました。
でも、発達診断を受けて、親子療育に通い
「ありのままの息子」を受け入れられた。だからこそ、今があります。

ずっと心で唱えていた「大丈夫」は、
本当に大丈夫だったんです😊

だから、あなたもきっと大丈夫。
笑える日がきっと来るから、大丈夫ですよ!


※この記事は体験談として掲載させていただいております。同じ行動が見られたからと言って必ずしも発達障害ということではありません。気になる症状がある方は医療機関への受診をお願いいたします。

みさねこ

経歴:6歳ASDっ子のママです。 育児は大変!発達はゆっくりだけど、かわいさ100倍! 今では「私の子どもに生まれてくれてありがとう」と思っています。 夢は発達っ子のママ、ちびっ子の笑顔を増やすことです😊💓

せのびーる

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