音や触覚に敏感な子へ!感覚過敏への環境づくりって?

作業療法士*てつ先生

2024/10/16

音や触覚など感覚全般における過敏は、「感覚過敏」と呼ばれています。 この感覚過敏は、特に自閉症のお子さんに多く見られている症状でもあります。 感覚過敏のある子達は、必要以上に音や触覚などの感覚を受け取ってしまい、ストレスとして感じ取ってしまいます。
今回は、こういった感覚過敏の子に対する支援についてお伝えしたいと思います。

感覚過敏とは?

感覚過敏とは、聴覚、触覚、視覚などの感覚を過敏に感じ取ってしまう状態です。 多くの人は、軽く触れられたり、音が聞こえた時に何気なくその感覚に注意を向けることができます。 しかし。感覚過敏のお子さんは、たいていの人なら無視ができる感覚でも、過敏に反応してしまい、その感覚を無視することができません。 そのため、日常生活に支障をきたしてしまいます。

感覚過敏の種類

感覚過敏にはいくつかの種類があります。
・聴覚過敏
・味覚過敏
・嗅覚過敏
・触覚過敏

お子さんの中には、これらの感覚過敏をいくつか持ち合わせている子もいます。

触覚過敏に対する支援方法について

触覚過敏は、特に頻繁に見られる症状であるため、詳しく述べていきたいと思います。 触覚過敏のお子さんは、特に服を着る際に困難を示すことが多いです。 例えば服のタグが気になる、あるいは靴下が嫌いなお子さんも多いです。

私は作業療法士として勤務していますが、職場で通われているお子さんの中には、来所するとすぐに靴下を脱ぎ捨てたり、靴下を履くことに対して抵抗を示すお子さんもいます。 さらに、服を着ている時でも、その肌触りが痛みとして感じることも多いようです。

そのようなお子さんは、決してわがままではなく、感覚過敏によって悩まれていることを理解しないといけません。 触覚過敏のお子さんには、周囲の理解が必要です。 服を選ぶなら、チクチクするような素材は避け、肌触りが良い服を選んであげることが大切です。

感覚過敏の子に効果的な活動って?

触覚過敏のお子さんの活動としては、ボールプールの中に入る遊びや柔らかいボールなどで、お子さんの身体全体を優しく圧迫しながら転がしてあげるような遊びも効果的です。 初めはお子さんの慣れている感覚から取り入れてあげることが大切です。

例えばボールプールなどは特に小さなお子さんが喜ぶ遊びでもあり、触覚過敏のある子でも遊びやすいです。 柔らかいボールで優しく身体を圧迫してあげることは、深部感覚という身体の奥深くに存在する感覚を感じ取る器官を刺激することになり、過敏さを軽減する効果もあります。 ただ、強く身体に押し付けるのではなく、優しくボールを当ててあげることがポイントになります。

聴覚過敏に対する支援方法について

聴覚過敏の対策として、特に使用されているのが「イヤーマフ」です。 イヤーマフで耳を塞ぐことで、耳に入る刺激を少なくすることができます。 しかし、常にイヤーマフを装着することはあまりおすすめしません。 イヤーマフに依存してしまう可能性があるため、外出などの周囲の雑音が多い時だけに限定してイヤーマフを用いるなどの対策が必要かもしれません。

そして、特に大事なことは、周囲の理解が必要なことです。 そのお子さんの特性を周囲の大人や学校の先生などに伝え、理解していただくことで聴覚過敏のお子さんが学校生活でも負担なく過ごせるよう環境を整えてあげることが大切です。 辛い時は、静かな環境で過ごせる時間を整えてあげることも大切な支援だと考えられます。

おわりに

作業療法士として支援に携わる中で、私達が何気なく受け取っている音や感覚でも、感覚過敏のお子さんは必要以上に感じてしまうことを理解する必要があると感じました。 周囲の理解があれば、感覚過敏のお子さんもより快適に生活ができるのではないでしょうか。 今回のコラムが、感覚過敏の子が負担なく過ごせるよう環境づくりを整える手立ての一端になれればと思います。

作業療法士*てつ先生

経歴:作業療法士歴11年

作業療法士として働いています! 感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。

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