怒りっぽい子への対応法|一人でできるクールダウンと家庭での事前準備ポイント コラム詳細|ふぉぴす

怒りっぽい子への対応法|一人でできるクールダウンと家庭での事前準備ポイント

公認心理師*やまおさん

2026/02/25

はじめに

子どもがカッとなって怒ってしまう場面に困っていませんか?
実は、子どもが落ち着いて行動できるようにするためには、怒ってから対処するのではなく「事前の準備」がとても重要です。

感情が高ぶっているときに「落ち着いて」と声をかけても、うまくいかないことが多いですよね。
そのため、普段から大人と子どもが一緒に「怒ってしまったらどうする?」と話し合っておくことが、クールダウンをスムーズに行う第一歩になります。

目次

怒りを防ぐ“事前準備”が大切

怒ってしまわないような配慮

どんな子どもでも、イライラするよりも穏やかに過ごせるに越したことはありません。
そのために、大人が配慮してあげることが必要です。
すぐに怒ってしまう子どもであれば、穏やかに過ごせる時間を増やしていくという観点で関わってあげる必要があります。

例をあげて考えてみる

例をあげて考えてみましょう。

給食時間に、カップのプリンが1つ余って、希望者はじゃんけんをして勝った人が食べることになりました。
10人ほどが希望し、じゃんけんをしました。負けても怒らない子は「やっぱり、10人もいたら勝てないよね」と考えていますが、
負けて怒っている子は「なんで、食べられないの?食べたかったのに!ずるい!」と言い、
自分が負けるかもしれないという見通しを持つことができていませんでした。

「負けても大丈夫」を伝える見通しの声かけ

こういう場合に大人が、「10人もいたら、勝つのは難しいね」「負けたら悔しいけど、怒らないようにしようね」「負けても大丈夫だよと思える子は、じゃんけんをしよう」と伝えておけば、
怒りやすい子も見通しを持って参加し、怒らずに済みやすいです。

もちろん多少イライラはしますが、それは自然なことですので、大きく怒らなかったら褒めてあげましょう。

クールダウン方法を一緒に決めておく

怒っていないときに話し合うのがポイント

感情が高ぶってしまってから「落ち着きなさい」と言われても、受け入れにくいですし、落ち着く方法が分からないからそうなっているわけです。
そのため大切なことは、落ち着いている時や機嫌が良い時に、大人と子どもとでクールダウンの方法を具体的に決めておくことです。

まず最初に子どもと決めておくべきことは、クールダウンするか否かは子どもの判断で行っても良いが、大人から見てクールダウンした方が良いと判断した場合には、クールダウンを勧めるということを伝えておく必要があります。

大人から見たらイライラしているように見えたので声をかけたら、「イライラしてないもん!」とますますイライラするということは、子育てに携わる人の多くが経験することだと思います。

子どもと一緒に「やり方」を考える

クールダウンの具体的な方法ですが、大人が常にずっと寄り添ってあげることができない場合もあります。
そのため、一人でクールダウンできる方法について考えておくことをお勧めします。
どこでも一人で実行できるものが好ましいです。家にいる時、学校にいる時、外出先など、それぞれの場面でどうするかを決めておきましょう。

家や学校であれば、一人になることができる場所はどこかを、大人と子どもとで事前に考えておきます。
そして、その場で一人で何ができるかを考えましょう。
たとえば、布団に入って寝る、紙に鉛筆で落書きをする、部屋の隅でマンガを読む、目を瞑って数字を数えるなど、さまざまな方法があります。

ただし、他の人に迷惑をかけないこと、物を壊さないことは条件に入れておきましょう。
たとえば、物に当たってしまう子がいますが、物に当たって大きな音を出すと周囲が不快に思ってしまうことや、物が壊れてしまうと取り返しがつかないことなどは、子どもに伝えておく必要があります。

「やろうとした」ことを認める

事前に方法を決めていても、うまくいかないこともあります。
しかし、クールダウンしようとしたこと自体を評価してあげましょう。
その上で、「次は別の方法を試してみよう」と一緒に考えていくことが大切です。

大人が「できた・できなかった」だけで判断せず、「試そうとした姿勢」や「自分で落ち着こうとした意欲」を認める関わりが、次につながる第一歩になります。

クールダウン後の関わり方

振り返りで「どうすればよかったか」を考える

クールダウン後には、よくクールダウンができたことを評価してあげましょう。
もし、クールダウンができずに怒ってしまったりした場合には、落ち着いた段階で振り返りをする必要があります。 クールダウンができなかったことを叱るのではなく、クールダウンできずに怒ってしまったことで、自分がどんな損をしたかを考えてもらいます。

たとえば、すぐに落ち着くことができたら、他の子と一緒に遊ぶことができずに、ずっと怒っていたので遊べなかったのが残念だったということです。
ここでは、怒り続けるよりも、クールダウンした方が得をするこということを知ってもらうことが大切です。

怒っていない時間を意識的に褒める

例えすぐに怒ってしまう子どもでも、ずっと怒っているわけではありません。
楽しく遊ぶことができている時間もあるし、嫌なことがあっても怒らずに対応できることだってあるかもしれません。

そういう時間を「当たり前」として流すのではなく、「上手に遊ぶことができているね」とか「今、怒らずにできてすごいね」と評価してあげることが何よりも大切です。

そうすることで大人との関係性を確立しておけば、クールダウンの促しの言葉も入りやすくなります。
自分のことを叱ってばかりいる人の言葉を聞こうとは誰も思わないでしょう。

おわりに

すぐに怒ってしまう子どもに対しては、大人もついつい「すぐに怒ってしまう」部分に焦点を当てがちです。 そうなってしまうと、子どもは自尊心が低下したり、大人に対して反抗的な態度を取ったりして、ますます怒りやすくなるという悪循環に陥りがちです。

そうならないためにも、怒っていない時の関わりを意識的に増やしたり、怒ってしまったとしても自分でクールダウンできたことを褒めるなど、子どもを意図的に褒める関わりが必要であることを意識してもらえたらと思います。

公認心理師*やまおさん

経歴:臨床心理士、公認心理師

児童福祉の分野で心理士をしています(20年以上)。発達障害児への心理教育や、虐待被害を受けた児童への心理ケア等を担当しています。

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