舌の力を抜いて発音改善!さ行が苦手な子の家庭トレーニング法
言語聴覚士*はる
2025/10/25

幼少期、子どもの言葉はぐんぐん成長します。言葉が増えてくると次に気になるのが発音ですよね。
特に「さ行」がうまく発音できないお子さんは多く、家庭でのトレーニングを取り入れることで、少しずつ正しい発音を覚えていくことができます。今回は、家庭でできる「さ行」の練習法をご紹介します。
さ行の発音が難しい理由

舌先のコントロールが必要
さ行の発音が難しい理由は、舌先の細かい動きが必要だからです。
「さ行」は舌先が少し上がるものの、上の歯に触れずに息が通ることで音が出ます。この微妙な舌の位置と息の使い方が、幼児にとっては少し高度な技術となります。
一般的には、さ行やざ行の習得目安は4~6歳といわれています。
発語が遅い子は成長に個人差あり
ただし、発語が遅めのお子さんは、発音の成長もゆっくりな場合があります。
小学校入学前などでつい「発音が違う!」「もっとはっきり言って!」と言いたくなりますが、焦って強制すると言葉を話すこと自体が嫌になってしまうことも。
「〇〇だね」と正しい発音を聞かせる程度で、少し様子を見ながら進めることが大切です。
家庭でできる「さ行」のトレーニングの基本

舌の力を抜く練習から始める
ささ行が言えないお子さんの多くは、舌に力が入りすぎています。力が入ったままだと「た行」に近い音になりやすいため、まずは舌の力を抜く練習から始めましょう。
舌の動きを鏡で確認してみよう
- 子どもに「ベー」と舌を出してもらう
- 舌がとんがったり曲がったりしていないか確認します。まっすぐ平らに出せない場合は、舌の力を抜く練習が必要です。
- 鏡を見ながら舌を平らに出す練習
- 舌先に力を入れすぎないよう注意します。少しずつ舌を柔らかく保つ感覚を身につけましょう。
- 繰り返し練習
- 舌を平らに保ちながら練習を繰り返すことで、発音の準備が整います。
ストローを使った発音練習

ストローで息を細く強く出す
舌と上の歯でストローを軽くはさみ、舌や唇を動かさないように注意しながら、息を細く強く出します。
「フー」ではなく「スー」という音を意識するのがポイントです。
ストローを使うことで、舌が上がりすぎるのを防ぐことができます。
ストローなしで息を出す練習
次にストローを外して、舌の位置を変えずに「スー」と息を出す練習をします。
舌に力が入ったり、位置が上がったりした場合は、再度ストローを使って練習に戻しましょう。
母音と子音をつなげて発声
「スー」と息を出せるようになったら、母音「う」をつなげて発音します。
「スーう」「スーあ」「スーい」と練習して、徐々に「スあ」「スい」「スう」と短くしていき、さ行の発音に近づけます。
焦らず少しずつ正しい動作を覚えることが大切です。
さ行を含む単語や文章の練習

単語の最初に「さ」が来るものから練習
「さくら」「さいころ」など、単語の最初に「さ」が来るものから始めると比較的簡単です。
語中・語尾の単語にチャレンジ
「おすし」「ますく」など、語中や語尾にさ行がある単語も練習していきましょう。
短い文章から長い文章へステップアップ
単語の練習ができたら、短い文章、長い文章へと発音練習を広げていきます。
家庭でのトレーニングは、焦らず丁寧に少しずつ進めることがポイントです。
まとめ

さ行の発音は家庭でもトレーニング可能ですが、どうしても上手に発音できない場合は、言語聴覚士など専門家のサポートを受けるのが安心です。
ポイントは、
- 舌の力を抜く
- ストローで息の出し方を練習
- 単語→文章へ段階的に練習
パパやママが子どもの発音を聞きながら、焦らず楽しく練習することで、自然とさ行が言えるようになります。
ぜひ、親子で楽しみながら取り組んでみてくださいね。

言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに




