【作業療法士が提案!】難しさゼロ!遊びを通した支援方法ってなに?
作業療法士*こーすけ先生
2025/08/11
なぜ“遊び”が支援になるのか?

子どもにとっての遊びは、ただの気晴らしや娯楽ではありません。
遊びは、発達の基盤を育む“学びの場”そのものです!
身体の使い方、感情の調整、対人スキル、想像力や問題解決力などのさまざまな力を、遊びを通じて自然に身につけていきます。
特に、支援が必要な子どもたちにとっては、遊びの中でしか引き出せない力や表現が数多くあります!
指示や練習では引き出せない意欲や
集中力も、「遊びだから楽しい」「やってみたい」と自発的に動くことで育っていくのです。
苦手に対して、遊びでアプローチする

子どもが何かに困難さを感じているとき、「練習」や「訓練」という形で取り組ませようとすると、うまくいかないことがあります...
たとえば、手先が不器用、人とのやりとりが苦手など、こうした課題にも、遊びを通したアプローチが効果的です。
手先が不器用なら、
「ピンセットで宝探し」「指でコイン並べ」など楽しい作業に!
人との関わりが難しいなら、
「お店屋さんごっこ」「ルールのあるボードゲーム」で対話の練習をしましょう!
遊びの中なら、「できない」ことが「やってみたい」に変わります!
そして、“できた”という達成感が、次の意欲を育てていきます。
遊びには“ねらい”がある

「遊び=自由」なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、支援においては、ねらいをもった遊びの設定が大切です。
・積み木を積む
視覚的な注意 / 手の協調運動 / 力の調節
・まねっこ体操
モデルの模倣 / ボディイメージ
・ストップゲーム
衝動の抑制 / 聴覚的な注意
・ごっこ遊び
役割理解 / 言葉のやりとり
こうした「楽しさ+目的」を意識した遊びは、子どもの発達課題に沿った支援を、無理なく自然な形で提供できます。
遊びを支援にするための工夫

どんな遊びも、子どもの発達段階や特性に合わせて調整することが大切です。
そのためには、次のような工夫が有効です。
レベルを調整する
ルールが複雑すぎると理解できませんし、簡単すぎても飽きてしまいます。
成功体験を積めるように、難易度を少しずつ上げましょう。
遊びに“見通し”を持たせる
活動の順番や終わりのタイミングを明確にすることで、不安や混乱を減らすことができます。視覚的なスケジュールや「あと3回で終わりね」といった声かけが効果的です。
楽しい気持ちを最優先に
子どもが笑顔で取り組めることが一番の土台です。 大人が一緒に楽しむことで、関係性も深まり、より深い学びが生まれます。
遊びの力を信じて、子どもと一緒に育つ

遊びは、子どもにとって最も自然な学びの方法であり、支援の強力な手段です!
楽しみながら、できることが増え、自信がつき、人と関わる力が育っていきます。
特別な道具がなくても、今あるもので工夫すれば十分です。
大切なのは、子どもが主役になれる時間と空間をつくること。
「この子に今必要な力をどう育てようか」と意識することで、支援の質は大きく変わります。
子どもと一緒に笑いながら、一緒に育っていく... そんな支援を、遊びの中から始めてみましょう!!

作業療法士*こーすけ先生
経歴:発達障害を抱える方を支援して10年。現在は訪問リハビリに従事しています。
子どもの「できた!」を増やすお手伝いをしています。