支援級?通級?支援学校?保護者が知っておきたい就学先の違いと選び方のポイント コラム詳細|ふぉぴす

支援級?通級?支援学校?保護者が知っておきたい就学先の違いと選び方のポイント

心理師*yamatomo先生

2025/11/06

はじめに

悩んで頭を抱える女性の様子

お子さんに合った就学先を選ぶことは、発達特性のある子を育てる保護者にとって大きな関心ごとです。
支援学級・通級指導教室・特別支援学校など、就学先にはいくつかの選択肢があり、「どこがうちの子に合っているのか」と迷う方も多いでしょう。

判断の際にまず重視したいのは、お子さんの発達段階や特性に合わせて、無理なく安心して過ごせる環境かどうかです。
とはいえ、それぞれの制度の違いや支援内容が分かりづらく、比較が難しいと感じることもあるかもしれません。

この記事では、支援級・通級・特別支援学校の特徴やメリット・デメリットを整理し、就学先を選ぶ際のポイントを分かりやすく解説します。

目次

支援級・通級・支援学校の違いを知ろう

タブレットで学習をする男の子の様子

通級(通級指導教室)とは?
特徴とメリット・デメリット

通級(通級指導教室)とは?

通常学級に在籍しながら、通常授業では一部困難を感じるお子さんが、週に数回、特別な指導を受けるために、別の教室(通級指導教室)に通います。

メリット

  • 通級指導の担当教師と、子どもが在籍する学級の担任の連携によって、支援や指導の計画が行われます。
  • 通常学級での友人関係や学校生活を維持しながら、必要な支援を受けることができます。

※現時点では知的発達症の子どもは通級指導教室では対象外です。

デメリット

  • 通級指導が行われる時間は通常の授業時間中であるため、その時間の授業内容を補完する必要があります。
  • 全ての学校にあるわけではない為、他校への通級の場合、移動時間が子どもの負担になることがあります。

支援級(特別支援学級)とは?
特徴とメリット・デメリット

笑顔で英語のパズルをもった男の子の授業中の様子

支援級(特別支援学級)とは?

支援級は、通常の小学校内に設置されているクラスです。障害別に学級が編成されており、学年が異なるお子さんで構成されています。

メリット

  • 支援級では学級担任が配属され、教科学習だけでなく、自立活動にも取り組みます。
  • 一クラスあたりの生徒数が少なく(6~8人)、それぞれの特性に合わせたサポートと指導を受けることが期待できます。
  • 通常学級のお子さんと一緒に学ぶ交流の機会があります。

デメリット

  • 通常級との関りは通級に比べると少なくなります。
  • 学校によっては設置されていないことがあり、通学が遠距離になることもあります。

特別支援校(特別支援学校)とは?
特徴とメリット・デメリット

学校の外観の風景

特別支援校(特別支援学校)とは?

特別支援行は特性の程度や年齢に合わせて、専門の教師やスタッフがきめ細やかな個別の指導が受けられます。 なお、特別支援校は、入学対象となる障害に基準や程度が定められているため、希望すれば誰でも入れるというわけではありません。

メリット

  • 特性の程度や年齢に合わせて、専門の教師やスタッフがきめ細やかな個別の指導が受けられます。1学級は少人数で、3〜6人が標準です。
  • 学校の教材や設備は、子どもの発達段階に合わせた学習しやすい環境となっています。

デメリット

  • 通常学級の子どもたちと交流する機会は少ないです。
  • 学校数が限られるため、自宅から遠い場合、通学が大変になることがあります。
野菜をMOTTO 野菜をMOTTO

就学先を選ぶときに大切な4つのポイント

学校で三者面談をする先生と親子の様子

1. 子どもの特性とニーズを見極める

お子さんにとって、どのような特性を持っているかを把握することが重要です。先生方にお子さんの情報を提供することができ、相談も具体的になります。教育方針や環境調整の方向性が見えてきます。

聴覚過敏の場合、音の刺激を少なくする配慮をしてもらえるか、書字が苦手な場合、特性に合った学習ツールを導入してもらえるか、などです。

2. 学校見学や情報収集を丁寧に行う

できるだけお子さんと一緒に学校を見学し、先生方にお話を伺いましょう。クラスの雰囲気、支援体制や環境を実際に確認することができます。

保護者の声が届きやすいかなど、利用している他の保護者の経験談もとても参考になるはずです。

3. 専門家の意見を取り入れる

医師や発達障害の専門家などの意見を取り入れることで、お子さんの状態をより正確に把握でき、必要な支援がどんなものか明確になっていきます。

4. 子どもの意見を尊重する

子どもの希望や意見を取り入れることも大切です。完璧な環境を探すのは難しいので、保護者の不安が多少残っても、「ここに通ってみたい」という、お子さん自身の前向きな気持ちがあるならば、尊重することで、多少の不便さを乗り越え、学校生活を充実して過ごすことにつなげられます。

まとめ|お子さんのペースで安心して学べる環境を選ぼう

教室の廊下の風景

支援級、通級、特別支援校のいずれを選択するにしても、重要なのは、お子さんができるだけ楽しく本人のペースで学校生活を送れるよう、個別に応じた支援が受けられる環境を選ぶことです。

地域や学校によって、サポート内容はかなり異なるようなので、就学相談で色々と質問できるといいと思います。
先生方と信頼関係を作り、柔軟に対応できる環境で、お子さんと、そして保護者の方にとっても、安心して学校生活を送れるよう願っています。

心理師*yamatomo先生

経歴:公認心理師歴3年

公的機関での療育判定の仕事には10年以上携わり、多くの保護者やお子さんに面談をし、経験を積ませていただきました。現在は発達相談やフリースクールで仕事をしています。

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