【体験談】障がい児育児の辛い時、どう乗り越えた?
当事者ママ*かなでママ
2025/05/29
はじめに

なんの障がいを持たない子育てでも泣きたい日もあるくらい大変なのに、たくさんの特性を抱えながら生まれてきた発達障がいの子供の育児は想像以上に大変ですよね。そんな子育て中の辛かったことや、その気持ちの切り替え方や乗り越え方などを、お話していきたいと思います。
息子の特性について
私の息子はASD・中度知的障がい・学習障害を持ち合わせています。
特性として
①見通しが持てない事はしない
②誰かに助けを求れない(場面寡黙症)
③勝ち負けや順位にとてもこだわる
④スムーズにいかないと癇癪や自傷行為をしていまう。
⑤偏食が大きい
主にこの5つの特性が大きく目立ちます。そして息子は6歳、小学1年生ですが、まだ紙パンツを履いています。
“ママは神経質だね”“もっと頑張らなきゃ”

息子は、2歳を過ぎても言葉も話さず、3歳過ぎてもオムツが取れず…まだ病院での診断前だったので私自身も厳しくした方が良いのか、どこまで優しく寄り添ってあげればいいのかを色々悩んでいました。
そんな時に年配で子育て経験がある方が言ってくるんです。
『少し神経質すぎるよ~』『トイトレは親ももっと頑張らなきゃ』『毎日絵本とか読み聞かせたりないんじゃない?』色々言われました。
今でこそ、ASDに対する知識もあるので、”ASDの子供たちは“興味のないことは全く取り組むことができないので、興味のあることを広げていこうと思っている”と自信を持って話せるけれど当時の私は全く言い返せませんでした。
子育て経験のある先輩方に“子育てを怠けている”というレッテルを貼られている気がしました。そして息子にも“頑張らない子”という決めつけで話されていることがとても辛かったです。
そして、当時は夫に相談しても寄り添ってくれることもなく『そんなの気にしなければ良いだけだよ。』と他人事のように言われ、私に味方はいないのかと悲しい気持ちになったこともありました。
癇癪や自傷行為…終われないという特性

息子は3歳後半で初めてASDという診断を受けたのですが、それまでは病院に相談も行ったことはありませんでした。市の臨床心理士によるK式発達検査は受けても、誰かに相談するという事に頭が回らなかったです。
そんな息子の一番の困りごとは“癇癪”“自傷行為”でした。
食事中、スプーンからご飯がこぼれ落ちただけで癇癪を起し、自分の頭を叩いたり壁や床に頭を打ち付けたりしていました。
年を重ねても、じゃんけんなどゲームで負けるだけで癇癪を起こし、なかなか一緒に遊ぶことも難しかったです。癇癪で自分自身を傷つけたり、家から勝手に出ようとしたり、片時も目が離せず精神的にもしんどかったのを今でも思い出します。
こんなこと考えるのは間違っていると思われるのかもしれませんが、子供と一緒に生きるのをやめようか…など思った日もありました。
それくらい、いつ起こるか分からない、そして頻回に起きる癇癪に精神的疲労は溜まっていきました。
診断と沢山のアドバイスと共感

そして、発達診断してくれる病院で受診しASDの診断されました。その時、先生には多くの事を教えてもらいました。
そして今でも、悩んでいることなど助言が頂きたいことなどに対して、ゆっくり説明してアドバイスをくださいます。
ASDの特性や寄り添い方など知る事により、以前より対応や自分の中での落としどころを見つけることができ、とても楽になったのを覚えています。
また、訪問看護とも契約し自宅内での見通しの持たせ方や癇癪が起きた時の対応やASDの特性など色々な助言をプロの方に教えていただくことも心が楽になった理由のひとつだと思います。
自分自身に知識がないと、特性も理解できず、我が子が何に対して不安や怒りを抱き、どのようにしたら落ち着いていくのかも分かってあげることは出来ませんでした。
そして、周りの人から『ただの甘やかし』などの言われても反論もできず、子供も守ってあげることが出来なかったです。
その経験から主治医や訪問看護の方など、様々な人に相談し知識や対応策を知ることが大切なんだなと今も思っています。
また、同じ発達障がいのお子様を育てている親御さんとの会話も、とても心が救われました。「それうちも!分かる!」という共感し合える方とのコミュニケーションは、心強くさせてくれました。
自分の時間を作ること

私は出産前、とても仕事をすることが好きでした。
もちろん、二人の子供に恵まれたことは幸せですが、子育てのみでは社会から取り残されている気がして、仕事をして自分を必要とされている夫がとても羨ましかったです。自分のペースでトイレにも行け、食事も行ける夫と変わりたいと思ってました。
なので私は、毎日子供が寝た後、15分だけでも大好きな抹茶オレを飲んだりドーナツを食べたりする時間を作っています。
デイサービスに行ったりしている少しのすき間時間に大好きなカフェに行きます。ずっと子供のケアだけでは、本当に頭がおかしくなっていたかもしれません。
“子育てをしている母親”という任務から離れることは私のモチベーションを上げる1つの方法です。
最後に

発達障がいのお子様は、多くの特性を持っており感情のコントロールがうまくできません。それにより生きづらさを感じる事もあります。
ですが、その特性を母である私が知らなかったら“何で?”“どうして?”と不思議になるだけでは対応することもできず負のスパイラルに陥ります。
なので、我が子の特性理解をすることも自分自身が辛さから乗り越える1つでもありました。
そして、その特性理解をするために主治医を始め様々な機関や行政に相談し、色んな意見をもらうことで自分自身を楽にすることができると実感しました。
また、同じ発達障がいのお子様を育てている親御さんとの会話は情報共有や新たな情報を手に入れれる大切な場所であり、支え合える仲間と思えることで、心を強くすることができました。
最後は、自分自身を楽にすることと、自分の為の時間を作り、自分にご褒美をあげることで『明日も頑張ろう』という気持ちになれます。
孤独をとても感じやすい発達障がい児の子育てですが、決して一人ではないので一緒に頑張っていけたら嬉しいです。

当事者ママ*かなでママ
経歴:1歳から11歳までの4人の子どもを育てています!長男が自閉症とADHDの診断を受けてから、子供のことをもっと知るために保育士の資格を取得しました。発達障がい児だけではなく、きょうだい児への対応も日々勉強中です♪