【体験談:かなでママ】療育探しの旅~今の施設に出会うまで~
当事者ママ*かなでママ
2025/05/19
はじめに
療育を受けるタイミングや、どんな療育があり、どのような流れで全てが始まっていくのか、初めての事で分からないことだらけですよね。今回は自閉スペクトラム症の長男(6歳)の事業所探しの体験談をお話していこうと思います。
診断前から市の療育に参加していた日々

1歳ごろから発達が他のお子様より確実に遅れていると思っていました。
喃語を含め発語がない・他のお友達に興味もなく一人で遊ぶ・訴えが全くなく受動的…。
毎日園庭開放に行くたびに他のお子さんと自分の子供を比較し、遅れていることを実感していました。
そんな時、自治体の広報で「発達が気になるお子様への集い」を知り参加してみることに。
無料相談を兼ねた療育のようなものでした。保育士さんや心理師の先生方が主体となり、様々な遊びを親子で取り組む活動でした。
その中でも我が子は全く取り組まず、一人で落ち着く場所を見つけ、座って眺めているような状態でした。なので、私自身「もしかしたら、本当に何らかの発達障がいがあるのかもしれない」と思い始めていたので、他の親御さんとも話せる機会があり、とても心強い場所になったことを今でも覚えています。
本格的に療育を探し始めた日々

3歳後半で“自閉スペクトラム症”と診断を受け、本格的に療育を探し始めました。
まずは自治体に療育を受ける為に必要な受給者証の申請に行きました。そして1ヶ月ほどで受給者証が発行され、近くの療育施設がリスト化された冊子を渡され、そこから息子に合う療育を探し始めました。
療育に関して右も左も全く分からなかったので、毎日市から渡された療育一覧表から一つずつHPを検索する日々でした。
療育にも“運動系”“勉強系”“音楽系”がありました。その中で我が子に合うと思った療育事務所に連絡し聞き取り・体験を繰り返しました。
どのタイプの療育が我が子に合うのか全く分からなかったですが、運動能力は他のお子さんとあまり変わらなかったので私の中では単語でもいいから言葉を発して欲しく、勉強系や音楽系をメインに探しました。
探し方は、まずは気になる施設に問合せをして体験日を決めます。(ほぼどの施設も体験制度があります)そして実際に体験に行って取り組んでいる我が子の様子や施設の雰囲気、先生方の態度や接し方を見て選考しました。
私も初めて知ったのですが市から紹介された療育施設以外に、最近は療育を専門とした訪問看護ステーションも存在します。
発達障がいの子供たちは慣れない環境がとても苦手です。なので自宅に看護師・作業療法士・言語聴覚士などのセラピストがグッズを持参して訪問し、住み慣れている環境や行き慣れている公園で療育を行ってくれます。この訪問看護は自閉スペクトラム症兄弟を育てている私にはとても助けられた事業所の一つでした。
我が子の長男は6歳になりましたが、現在は3歳後半から行っている療育と新たに契約した放課後デイサービス、訪問看護を利用しています。
苦労した日々と助けてくれた相談支援員

6歳までの未就学児が通う“児童発達支援”は、まだ探すことは難しくなかったですが、小学生から通う“放課後デイサービス”は見つけるのに大変苦労しました。
多くの放課後等デイサービス事業所は送迎サービスがあるところが殆どです。放課後に学校迎えに来てくれ、療育を終えると夕方ごろ自宅へ送迎してくれます。その為、事業所ごとに送迎範囲が決まっています。
我が子は慣れない車には乗れないため、母親の私が送迎する前提で範囲を広げ探しました。事業所に問合せの電話をしましたが殆どの事業所が空きがありませんと断れ、50件ほどかけてようやく1件の空きが見つかりました。
こればかりは途方にくれました。そのため送迎をしてもらうとなると…絶望的な困難さでしたね。
そんな時、お世話になっている訪問看護師さんが担当の相談支援員さんを見つけることを提案してくれたんです。相談支援員とは、療育事業所や学校と連携をとってサポートしてくれる方達です。
ようやく、市内の相談支援員さんを見つけ、運良く利用可能な事業所さんを紹介していただけました。相談支援員の方への費用は発生しないため、金銭的にもありがたかったです。
行ってみたい放課後デイサービスなどを相談すると、その事業所さんにコンタクトを取ってくださり、利用することが出来ました。相談支援員さんからの紹介は確実なものではありませんが、素人の親が探すのには限界がありました。
相談支援は様々な事業所の事を把握している為、どんな所がいいかなども提案してくださいますし、学校や事業所とのカンファレンスの設営など様々な事をしてくださります。様々な事業所と共に子供と私も支えられて今に至ります。
療育に通ってからの変化

息子は勉強系の児童発達支援、訪問看護、小学校から放課後デイサービスに通っています。
まず勉強系に通い始めて半年ほど経ち、単語を話せるようになりました。楽しみながら単語が書かれた絵カードを用いる療育の成果かなと思いました。
訪問看護では、自身のペースに合わせてお家で好きな遊びについて話せるなど単語習得の次のステップに繋いでいただけているような気がします。そして自身のお気に入りのおもちゃで一緒にあそぶなどのご褒美を取り入れることで課題に取り組む時間も少しずつ伸びてきています。
放課後デイサービスでは他学年のお兄ちゃんお姉ちゃんに引っ張ってもらいながら、みんなで遊びたい気持ちが育ち、自ら「よーしーて(混ぜて)」と言えるまでになりました。
私一人ではこのような成長は見れなかったと思っています。
以上が私の療育探しと療育を利用して感じた効果でした。ここで伝えたいのは“一人で抱えない”ことです。相談支援員さんや市の相談先などに助けを求め、多くの選択肢を知ることが、育てている親御さんの不安を減らせる一つだなと私自身感じました。利用できる支援はどんどん利用していけたら良いですね。

当事者ママ*かなでママ
経歴:1歳から11歳までの4人の子どもを育てています!長男が自閉症とADHDの診断を受けてから、子供のことをもっと知るために保育士の資格を取得しました。発達障がい児だけではなく、きょうだい児への対応も日々勉強中です♪