【体験談あり】発達障害の子どもの困りごと4選|癇癪・多動・こだわり…家庭でできる対応法
当事者ママ*まき
2025/11/27

発達障害のある子どもの「困りごと」は、家庭や学校など日常生活のあらゆる場面で現れます。
この記事では、実際に発達障害のあるお子さんを育てる家庭の体験談を交えながら、よくある困りごととその対処法を紹介します。
目次
発達障害の子どもに多い「困りごと」とは?

まずは、発達障害のある子どもによく見られる困りごとを紹介します。実際の体験を交えて解説します。
感情を言葉にできず、手が出てしまう
発達障害児の多くは、感情を言葉にして伝えることが苦手です。
我が子もそのひとりで、自分の意見が通らなかったときやゲームに負けてしまったときなど、「嫌だった」という感情を言葉にして伝えることができず、先に手が出てしまうことも。
子供自身も、手を出してしまうことはいけないことだとわかっていながらも、感情をうまくコントロールすることができずに手が出てしまうのです。
これを解決する方法として、我が家では常にいまどんな気持ちなのか、言葉にして伝えるトレーニングをしました。
我が子はなにかを訴えるとき、必ずと言っていいほど癇癪を起こすので、いったんその気持ちを落ち着かせ、「いまどんな気持ちでなにをしたいのかゆっくりと教えて」と問いかけます。
子供が癇癪を起こすと親も冷静さを失って叱ってしまうことも多いのですが、逆効果となってしまうため、常に冷静に対応できるよう心に余裕を持つことを意識しました。
場に合わない行動(多動・大声など)が出てしまう

幼児期の頃からどこへ行っても大きな声で騒いでしまったり、走り回ってしまったり、とにかく落ち着きのなかった我が子。そこで、場にふさわしくない行動をしてしまった時、どうしてそれをしてはいけないのか子供にゆっくりと説明するところから始めました。
そして、病院では小さな声で話すこと、飲食店やスーパーでは走らずに歩くことなどの最低限のマナーやルールを教えました。病院や飲食店などは幼児期から行く頻度が多い場所でもあったため、毎回行くたびに口うるさく言っていたように思います。
現在小学生になった我が子ですが、「ここは静かにする場所だよ」と言うときちんと理解し、行動できるようになりました。生きていく上では、最低限のマナーやルールがあるため、幼児期から根気強く教えていく必要があると思います。
相手の話を最後まで聞けない・会話に割り込んでしまう

我が子は、お友達が話している途中でも思いついたことを割り込んで話してしまう癖があり、コミュニケーションがうまく取れていないことがありました。
ワーキングメモリーが低い我が子は、思いついたときに話をしないと忘れてしまうため、無意識のうちに会話に割り込んでしまっていたのです。
そこで、家庭内では「いまはお母さんが話しているから終わったら話を聞かせてね」と言い、相手の話を聞く練習と会話の順番が来るまで待つという練習を常にしていました。
順番を待つ練習をすることで、言いたいことを忘れてしまい怒ることもありましたが、「また思い出したら教えてね」と言い、こちらも根気強く続けていきました。
この時一番意識したのは、話を聞けたことに対して褒めること、そしてその後の子供の話をしっかりと聞いてあげることです。
そうすることによって、相手の話を聞けば自分の話も真剣に聞いてもらえるという学習に繋がるのです。
いまもまだ自分の番を待てずに話してしまうときがありますが、「いまは話す番じゃないよ」と教えると待つことができるようになりました。
こだわりが強く、相手の気持ちを理解しにくい

発達障害を持つ子供は、相手の気持ちを理解することが難しい場合があります。
例えば、お友達と一緒にブランコがしたいのに、そのお友達はサッカーがやりたいと言ったとします。
すると、我が子の場合「自分はお友達と一緒にブランコがしたいと言っているのに、なぜやってくれないの?」と怒ってしまいます。
遊びにこだわりがあり、相手の気持ちまで理解できていない為、自分の気持ちを理解してもらえなかったと思い癇癪に繋がるのです。
そこで、我が家では自分の気持ちと相手の気持ちが常に同じではないこと、そして人それぞれいろんな気持ちがあっていいことを伝え続けました。
その結果、いまはお友達と同じ気持ちになったときは同じ遊びをし、違う気持ちのときは無理に一緒に遊ぶことはせず、相手の気持ちも理解しつつ関わりを持つことができるようになりました。
家庭でできる!困りごとへのサポートのコツ
発達に特性があるお子さんへの関わりで大切なのは、「苦手を責める」のではなく、「どう支えるか」を考える姿勢です。ここでは、家庭で意識したい3つのサポートのコツを紹介します。
「できない」を叱らず、「どうすればできるか」を考える
うまくできない行動が続くと、つい「何度言ったらわかるの?」と叱ってしまうこともありますよね。でも、発達に特性がある子どもにとっては、“できない”のではなく、“やり方が合っていない”ことが多いのです。
たとえば、注意を向けるのが難しい子には「1つずつ指示する」、スケジュールが見えない子には「絵カードで見通しを伝える」など、「どうすればできるか」を一緒に探していくことが大切です。
家庭内で一貫した対応を心がける
家庭の中で大人ごとに対応が違うと、子どもは混乱してしまいます。 「ママはOKだけど、パパはダメ」といった状況が続くと、子どもはルールを理解しにくくなり、結果的にトラブルが増えることも。
家庭内で「どんなときに褒める」「どんなときに注意する」を話し合い、一貫した関わり方を意識することで、子どもは安心して行動しやすくなります。
専門家や支援機関に相談することも選択肢に
家庭でできる工夫にも限界を感じるときは、早めに専門家に相談するのがおすすめです。
児童発達支援センターや発達相談センター、医療機関などでは、お子さんの発達特性に合った支援方法を提案してくれます。
「相談するのはまだ早いかも…」と迷う必要はありません。少し困っている段階での相談こそ、今後の成長をサポートする第一歩になります。
発達障害の子どもが「生きやすくなる」ために大切なこと
子どもの特性を理解し、得意を伸ばす
発達障害のある子どもは、苦手な部分もありますが、その一方で得意なことや強みを持っていることが多いです。 絵を描くのが好き、数字が得意、物の仕組みに興味があるなど、その子の「好き」「得意」を見つけて伸ばすことが、自信と自己肯定感につながります。
「できること」から伸ばす支援を意識してみましょう。
「怒る」より「認める」姿勢を大切にする
失敗や困った行動に目を向けるよりも、「できたこと」「頑張ったこと」をしっかり認めてあげることが大切です。 大人の「できたね」「ありがとう」の言葉が、子どもにとっての安心ややる気につながります。
周囲の理解とあたたかいサポートが増えるほど、子どもは少しずつ「生きやすさ」を感じられるようになります。
まとめ|困りごとを通して親子で一緒に成長していこう

困りごとへの対応は、すぐに結果が出るものではありません。
しかし、子どもの特性を理解し、家庭でできる工夫を積み重ねていくことで、少しずつ変化が見えてきます。
「完璧にできなくてもいい」「子どもと一緒に成長していく」──そんな気持ちで日々を過ごせるといいですね。
※この記事は体験談として掲載させていただいております。同じ行動が見られたからと言って必ずしも発達障害ということではありませんので、気になる症状がある方は医療機関への受診をお願いいたします。
※写真はイメージです。

当事者ママ*まき
経歴:保育士資格保有
発達障害の子供を育てる2児の母です。毎日明るく楽しくをモットーに子育てしています。






