【体験談】息子がASDと診断されるまでの葛藤(中編)
みさねこ
2025/06/11
はじめに
前編は、出産から1歳半健診までの違和感や不安、そして友達の子どもと比べて「息子は発達障害かもしれない…」「いや、息子は違う。大丈夫」と葛藤する日々について書きました。
中編は、保育園入園後の出来事を通して「やっぱり息子は発達障害なんだ」と核心した出来事について書きたいと思います。
はじめての保育園

息子が2歳になる年の4月、私は育休を終えて仕事に復帰予定。保育園への入園も無事決まり、4月からは慣らし保育が控えていました。
私にとって息子は、はじめての子育て!
慣らし保育や保育園については、まったくの無知です。
そのため、事前に保育園情報を収集していました。
「慣らし保育初日は、ママとはじめて離れるから大抵の子どもが泣く。逆に泣かない方が奇跡」 そう書かれていました。慣らし保育初日の朝。
同じ保育園に通うご近所さんとばったり。
「お出かけですか?」
「今日から保育園なんです」
「それは泣いちゃいますね~!」
「そうですよね〜」
と笑顔で返しましたが、心の中はざわざわしました。
「息子はきっと泣かないだろうな…」
そう思っていたからです。
案の定、保育園に着いた息子は、靴を脱がせた途端に園内へいちもくさん。
他の慣らし保育の子どもたちは泣きじゃくって親にしがみついているのに、息子は園内のおもちゃで遊びはじめました。
「どうして泣かないの?私がいなくてもいいんだ…」
「”泣かない方が奇跡”と書いてあった。やっぱり息子は発達障害なのかもしれない…」
せっかく、現実から目を背けていたのに、その気持ちがまた強くなりました。
仕事と育児に追われながら

その後、息子は一度も泣くことなく慣らし保育を終え、私は職場へ復帰しました。
時短勤務とはいえ、9時から17時までのフルタイムに近い勤務時間。
朝は慌ただしく保育園に送り出し、夜はクタクタで帰宅。家事と育児に追われる日々がはじまりました。
大変なことはわかっていたけれど、仕事と育児の両立は想像を絶する日々でした。
やるべきことが山積みの毎日。
次第に心の余裕はなくなっていきました。
息子の発達のことで心配を抱えながら、職場でも家庭でも常に時間と闘う生活。
気づけば、いつもイライラしていては落ち込み、自分を責める気持ちばかりが募っていきました。
比べたくないのに比べてしまう

保育園に通うようになり、息子以外の子どもたちと接する機会が増えました。
他の子どもたちを見るたびに、息子との違いを感じることが増えていきます。
同じ年齢の子ども達は、先生やお友達と会話をして表情がとても豊か。
笑顔で身振り手振りをしながら気持ちを伝えています。
「2歳って、こんなにお話しできるんだ…」と驚きました。
一方で、息子は2歳になっても言葉は一切出ていませんでした。
たまに笑うけど、感情表現も乏しい。
私がどれだけ話しかけても、もちろん返事は返ってきません。
「息子は楽しいと感じているの?」
「話しかけても理解できている?」
「話しかける意味はあるの…?」
いつも独り言を言っているようで、虚しくて、悲しかった。
「でも、話しかけないと…」
「大丈夫!まだお話しできないだけ。いつか話せるようになる。大丈夫、大丈夫。」
そう、自分に言い聞かせていました。
比べたくないと思いながらも、比べてしまう現実。
そして、比べるたびに自分を責めてしまう…。
そんな日々が続き、さらに心に余裕がなくなっていきました。
核心に変わった「逆さバイバイ」

ある日、「息子は発達障害なんだ」そう、核心せざるを得ない出来事が起こります。
お話しできない息子は、バイバイの手振りもできていませんでした。
ですが、その日は退園時にはじめてバイバイができたんです。
でも、そのバイバイは、手のひらを自分の方に、手の甲を先生に向けた、
いわゆる「逆さバイバイ」でした。
その瞬間、私の中で何かが崩れ落ちました。
逆さバイバイは、発達特性の一つ。
見たままをそのまま真似してしまう、視点の切り替えが難しい子どもによく見られる行動だと知っていたからです。
「あぁ…息子は発達障害なんだ…」
これまで、目を背けてきた現実が、一気に自分の中で核心に変わってしまいました。
うれしいはずの、はじめてのバイバイは、悲しいバイバイになってしまいました。
「頭」ではわかっていたけど…
逆さバイバイの一件から、心にぽっかり穴が開いてしまいました。
「どうしたら他の子みたい話せるようになるんだろう?」
「私は息子に何をしてあげられるんだろう?」
毎晩寝かしつけたあと、また「自閉症 特徴」でネット検索する日々を過ごしました。
「これも、これも当てはまる…発達診断を受けた方がいいの?」
「でも、そこで“自閉症”と診断されたら…私は受け止められるの?」
「息子はなんで自閉症になったの?」
「出産前に低酸素状態になったから?私のせいなの?」
「でも、これから成長するかもしれない…」
そう、自問自答を繰り返していました。
「頭」では理解している。ですが、発達診断を受けることで「息子は発達障害」という現実を受け入れることが、あまりにも怖かったのです😭
次回は、「発達診断を受けよう」そう決心した出来事について書きたいと思います。

みさねこ
経歴:6歳ASDっ子のママです。
育児は大変!発達はゆっくりだけど、かわいさ100倍!
今では「私の子どもに生まれてくれてありがとう」と思っています。
夢は発達っ子のママ、ちびっ子の笑顔を増やすことです😊💓