【言語聴覚士直伝】おうちで出来る!子どもの発語を促す方法 5選!
言語聴覚士*はる
2025/05/13

幼児期は「ことばの力」の土台がぐんぐん育つ大切な時期です。語彙が豊かになることで、子どもたちは自分の気持ちを上手に表現できるようになったり、お友だちとのやりとりがスムーズになったりします。
今回は語彙量を増やす関わり方についてご紹介します。
知っている言葉が少ないなとお悩みのママパパの参考になれば幸いです。
そもそも語彙って何?

まず、語彙とは簡単にまとめるとその子自身が使える言葉の量のことをいいます。
言葉を使えるというのは、意味を理解してその意味の通り必要な場面で話せるようになることです。
「語彙が多い」お子さんは、お話できる言葉がたくさんある様子をいい、「語彙が少ない」お子さんは何か話していても言葉の種類が少ない様子をいいます。
語彙を増やすか関わりは?

① たくさん話しかけ、たくさん聞く
子どもが言葉を覚えるうえで一番身近な題材は、「周囲の大人のことば」です。食事中やお迎えの時間など、日常生活でのちょっとしたタイミングで、
「今日はどんなことがあった?」
「この野菜の名前、知っている?」
など、たくさん話しかけてあげてください。
もしも「わからない」といって何も答えないようであれば、「お外遊びした?」「ホールで遊んだ?」など選択肢を提示して答えやすくしてあげるとよいでしょう。
そして、子どもが話したときは最後までしっかり聞いてあげることもとても大切です。
「聞いてもらえた」「受け止めてもらえた」という経験は「もっと伝えたい」という気持ちを育みコミュニケーションへの意欲を高めていきます。
コミュニケーション意欲を高めることは、言葉の理解や表出面の伸びにもつながっていくので、とても大切です。
② 絵本の読み聞かせで、言葉の世界を広げる
絵本には、日常生活ではなかなか使わない言葉や表現がたくさん出てきます。
例えば「ふわふわ」「ざらざら」などの感覚的な言葉や「びっくり」「うれしい」などの感情を表す言葉など、それ以外に動物や乗り物の名前や鳴き声、音など絵本には多くの言葉が含まれているのです。
読んでいる途中に「〇〇どーれだ」などとクイズ風にして言葉の理解を伸ばしたり、「これなに?」と表出の力を伸ばしたりと、さまざまな使い方があります。
③しりとり・歌・なぞなぞで「ことばあそび」
遊びの中で言葉を楽しむと、自然に語彙が増えていきます。 なぞなぞでは「頭にかぶるものはなに?」や「外に出るときに足に履くものはなに?」などと物の名前と用途の結びつきを強化させるような問いかけがおすすめです。 まだ言葉がほとんど出ていないお子さんに関しては、手遊び歌や童謡など目や耳の印象に残りやすいものから導入していくとお子さんも楽しんで参加できるでしょう。 「言葉っておもしろい!」という気持ちが、言葉を覚える大きな力になります。
④お散歩やおでかけなど外の活動で言葉の世界を広げる
スーパーや公園に水族館など、身近なおでかけ先は語彙を広げる宝庫です。 実際に見たり触れたりした体験と一緒に覚えた言葉は、記憶にも強く残ります。 指をさした方向に視線を向ける、発見する、共有する、そういった体験がコミュニケーションの力をどんどん伸ばしていくのです。 「見て桜が咲いているよ、春のお花だよ」これだけでも、桜というものは春に咲くお花という結びつきが得られます。 このように日常のさりげない会話から語彙を広げる方法があるので、積極的に会話を楽しんでいきましょう♪
⑤子どもの言葉に「ちょい足し」して返してみよう
子どもの言葉に「ちょい足し」というのは、どういうことかというと子どもが「すごい!」と言ったら、「本当だね、すごいね。大きくてかっこいいね」と少しだけ言葉を増やして返してあげることです。 こうすることで、子どもは「あ、このすごいものは大きくてかっこいいものだ!」と新しい言葉の使い方を自然に身につけていきます。
まとめ

語彙力は、子どもが自分を表現し、他者と関わるための大切な土台になります。子どもの話せる言葉が少ないと「もっと話せるようにさせないと!」とどうしても頑張って話をさせたくなりますが、無理はさせずその子自身が楽しみながら覚えるということを大切にしていきましょう。 大人もですが、子どもは楽しさや嬉しさなどがないとその分野に関してどんどん苦手意識をもってしまいます。 毎日の会話や絵本、おでかけや遊びの中で、言葉はどんどん育っていきます。ご家庭での何気ない会話が子どもの語彙力を伸ばすお手伝いになるので、子どもとのコミュニケーションを楽しんで生活してくださいね。

言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに