【好奇心旺盛!】落ち着きがない子への話やお家でできることは??
作業療法士*こーすけ先生
2025/07/28
落ち着きのなさに困っていませんか?

「じっと座っていられない」
「話を聞いていない」
「注意してもすぐに動き出してしまう」
など子どもの落ち着きのなさに悩んでいる保護者や支援者の方は少なくありません。家庭や学校でも他の子どもとの違いに戸惑い、「どう対応すればよいかわからない」という声を耳にします。
こうした行動は一見すると、わがままやしつけ不足ととらえられがちですが、実は子ども自身の脳の発達が影響していることがあります。
これらの行動を理解するための脳機能を、「実行機能(executive function)」と言います!
実行機能とは?落ち着きとの関係

実行機能とは、
「さまざまな状況において、自分の行動や感情をコントロールし、目的に向かって行動する力」のことを指します。
具体的には、
「注意を向け続ける」
「衝動を抑える」
「記憶を一時的に保つ」
「予定を立てて行動する」
などの力が含まれます。
この実行機能は、生まれつき備わっているわけではなく、子どもが経験や関わりを通して少しずつ育てていくものです。
特に未就学児や小学校低学年では、まだまだ発達の途上にあり、落ち着きのなさは“発達段階の一部”といえます。
つまり、できないのではなく「まだ育っていない」だけなのです。
遊びを通じて実行機能を育てる

実行機能は、遊びの中ルールを取り入れることで育つ力です。 筆者は臨床では次のような遊びを通して、実行機能を育んでいます。
矢印を使用した赤青ゲーム
大人と子どもが対面になり遊びます。
大人は子どもに青と赤の矢印を示し、子どもは矢印のルールに従い、矢印の方向に向かってジャンプします。
例えば、青は矢印の方向に向かってジャンプをする・赤は矢印の方向と反対方向にジャンプをするというルールで遊びます。
この遊びは、ルールを覚えておきながらルールに従わなければなりません。
矢印の方向にジャンプしたい衝動を抑えて反対方向に飛ばなければなりません。つまり衝動性を抑制する機能を発揮しなければ、この遊びは成立しないのです。
リズム遊び
音楽が流れている間はテンポに合わせて動いてみる。音楽が止まったら動きを止める。
再び音楽がなったら身体を動かします。
またリズム遊びの派生として、音楽の流れている間は身体を動かさずに、音楽が止まったら身体を動かします。
お買い物ごっこ
子どもから離れた場所におもちゃのおままごとセットをおいて、子どもに持ってきてほしいものを伝えます。
子供のレベルに応じて、2つ、3つなどと持ってきてほしいものを伝えます。
伝えたのちに、子どもに取りに行ってもらいますが、途中で大人が合図を出したら止まらなければならないというルールで取りに行ってもらいます。
このように実行機能をはぐくむ遊びは、ルールを複雑にして子どもに守ってもらうという共通点があります。
上記に挙げた遊びは、一例です!
他にも「だるまさんがころんだ」なども取り入れることができます!
大人のまなざしが子どもを変える

落ち着きがない子どもを見ると、つい「困った子」として対応しがちです。
しかし、本当は「困っている子」なのかもしれません。
大人の見方や関わり方が変わることで、子どもは安心し、自分の力を少しずつ発揮できるようになります。
「落ち着けないのではなく、まだその力を育てている途中」と捉え、できないことに注目するのではなく、「できた一歩」を一緒に喜べるといいですね✨
それが、実行機能を育て、子どもの自己調整力を支える最も大切な関わりになると思います!

作業療法士*こーすけ先生
経歴:発達障害を抱える方を支援して10年。現在は訪問リハビリに従事しています。
子どもの「できた!」を増やすお手伝いをしています。