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【言語聴覚士が教える】療育はいつ始める?どうやって判断すればいい?

言語聴覚士*はる

2025/05/03

子どもの発達に気になる点があったとき、「療育を受けさせたほうがいいのかな?」と悩むご両親は少なくありませんよね。療育について調べると、早期発見や早期介入と書いている ところが多いとは思いますが、実際何歳がいいの?どんなタイミングが多いの?と疑問が出るでしょう。この記事では、療育を始めるタイミングやその判断基準などについて紹介します。

療育を始める人が多いタイミングは3つ

療育を始めるタイミングとして、大きく分けて3つのタイミングが多いといわれています。 それぞれについて詳しく紹介していきます。

①乳幼児健診
自治体で定められている乳幼児健診の結果、療育をすすめられる人は少なくありません。特に、1歳半、3歳検診が多いといわれています。
理由としては、1歳半検診では言葉の発達、3歳検診では保育園や幼稚園に通い始めたり、少し意思疎通が図れるようになってきたりした結果、行動面や発音などさまざまな面で悩みが出るご両親が多いことがあげられます。

②就学時健診
小学校入学前に行われる就学時検診では、普通級で問題なく生活が送れるのか、授業に遅れをとらないかなどの悩みを抱えるご両親が多いです。
また、もともと療育に通っているお子さんの放課後デイサービスの利用もどのように進めたらよいのか、そもそも必要かどうかなどを聞く人も多いですよ。

③集団生活を送る上でお手伝いが必要なとき 保育園や幼稚園、学校での集団生活で日ごろ関わっている先生から「集団生活を送る上で少し工夫が必要なようだ」「お手伝いが必要です」などのお話があったことから、療育を考えるご両親も多いです。
先生からお話があると、構えてしまう方も少なくはありませんが、お子様が少しでも過ごしやすい環境を作れるように提案してくれていると一緒に協力して考えていきましょう。

相談先は?

6歳までに受ける療育はとても重要だといわれています。 もちろんそれ以降のタイミングでの療育も効果はありますが、早いタイミングはもっと効果的であるといわれていますよ。
また、子どもの発達に気になる部分があり、療育を受けるか否かの相談先としてあげられるのは以下のような場所です。
・市町村の福祉担当窓口
・地域の保健センター
・子育て支援センター など

療育を考えるタイミングは7つ

療育を考えるタイミングは大きく分けて7つあります。

①2歳を過ぎても全く話さない
②指示が通りにくく、日常生活に支障がある
③癇癪(かんしゃく)が激しく、落ち着かせるのが難しい
④こだわりが強く、集団行動が苦手
⑤周囲とあまり関わろうとせず、目が合いにくい
⑥食事や睡眠など、生活リズムに著しい偏りがある
⑦指差しを全くしない

これら1つでも当てはまれば必ず療育に行かなければならないわけではありません。 これに当てはまらなくても、その子自身が生活する上で工夫がないと暮らしにくいようであれば、療育を検討する必要があります。
また、その子自身が今困っている様子がなくても、今後困るであろうことが想像できる場合も療育に必要性があると考えられます。

気をつけたいポイント

さらに療育で働いていてよく耳にするのは、「家では困っていない」といった様子です。 自宅という狭い環境で、かつ相手が子ども自身の理解者である場合、その中での生活では子ども親も困っていないことがあります。
もちろん、親は困っていても子どもは困っていない場合などさまざまなパターンがあるので、これはあくまでも一例です。
しかし、保育園や学校、幼稚園などその子自身の生活をする主体となる場所で、周りの先生やお友達とのコミュニケーション、集団生活のしにくさなどで不便さを感じることがあるのです。そういった場合も療育は適応になるので参考にしてみてくださいね。

まとめ

今回は療育を開始するタイミングの判断基準についてご紹介しました。 療育はその子がその子らしく生きていくのにどのような工夫をすれば効果的か検討する場です。また、その子自身の苦手な部分にもアプローチするだけではなく、良い部分も伸ばして生活に取り入れてくれますよ。 子どもの発達に関する悩みはそれぞれ出てくるので、「こんなことで相談してもよいのか・・・」「どうしたらよいのか」など抱え込みすぎず、お気軽に身近な施設で相談してみてくださいね。少しでもお子さんについてお悩みのお父様、お母様の参考になることを祈っております。

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言語聴覚士*はる

経歴:言語聴覚士歴:10年目

2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに

せのびーる

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