集中力が続かない子にどうしたら良い?環境作りの3つのポイント紹介!
作業療法士*てつ先生
2025/01/24
はじめに

お子さんに宿題をするように声をかけ、いざ取り組むと身体をそわそわさせたり、集中力が続かないことがよく家庭でも見られるかもしれません。
さらに、学校でもそのような様子が見られるお子さんも多いです。
そのようなお子さんに対して、「集中しなさい」と注意をしてしまうかもしれません。
しかし、叱ることは場合によっては逆効果になることもあります。
今回は、集中力が切れやすい子へのアプローチ方法をご紹介していきたいと思います。
集中力が切れやすいことは発達障害?

集中力が続かないことが発達障害ではありませんが、ADHDなどのお子さんには集中力の欠如がよく見られる特性でもあります。
ADHDのお子さんの傾向としては、今何かをしている最中やその瞬間に今行っていたことを忘れ、何をすればいいのかわからなかったり、別なことを突拍子もなくしてしまうことがあります。
集中力が切れてしまう子の特徴

集中力が切れてしまうことは、注意力の散漫になっていることを意味します。
さらに、注意力にはいくつかの種類があり、「不注意、多動性、衝動性」などがあります。
いくつかの注意力の散漫さが合わさり、集中力の持続が難しいお子さんが多く見受けられています。
そのようなお子さんの特徴としては、例えばおもちゃを片付けるように声をかけても、片付けている途中にもかかわらず、
片付けをやめて別な遊びをしてしまうことやおもちゃで楽しく遊んでいたと思えば、
すぐにそれを床に放り投げて違うおもちゃで遊んでしまうことがよく見受けられています。
集中力が切れやすい子へのアプローチ方法

1. 環境を整える
集中力が切れやすい子に効果的なアプローチの1つが「環境を整える」ことです。
作業療法士の視点からみて、整えたい一つがお子さんの「椅子」です。
発達障がいのお子さんの中には、体幹の力が弱く、長い時間椅子に座っていることが難しい子が多く見受けられています。
さらに、身体の感覚をお子さん自身で感じ取ることも苦手であり、自分自身の身体がどうやって動いているかも理解することが難しい子も多いです。
そのようなお子さんには、椅子の環境を整えてあげることが効果的です。
椅子の座る部分にタオルなど柔らかい物を敷いてあげることで、お尻や太ももの裏全体が包み込まれるような感覚で座ることができます。
座る部分が硬いと、座っているという感覚をお子さん自身の身体で感じ取ることが難しいため、
身体が無意識に「感覚がわからないから座っている感覚を感じ取りたい!」と思ってしまい、
身体をそわそわさせたり、椅子をガタガタさせる行動が見られると考えられます。
ただ、タオルだけを椅子に敷いているとそのタオルがずれてしまうため、タオルの下に滑り止めマットなどを敷いてあげると安定して座ることができます。
2. 見通しを立てる
例えば、「〇〇分まで頑張ろうね」、「〇〇ページまで今日はやろうね」など見通しを持たせることで、 事前にゴールがわかっているため、お子さんも安心することができ、集中力も維持できやすくなります。
3.集中できる環境を作る
発達障がいのお子さんは、周囲の刺激に反応しやすい傾向があるため、できるだけ静かな環境を作ることが理想です。
おわりに

どうしても集中力が切れやすいお子さんは、様々な場面で叱られてしまうかもしれません。
特に学校生活では、集中しないといけない場面が多いのではないでしょうか。
叱られるばかりでは、お子さんの自尊心も低くなってしまうかもしれません。
少しの間でも集中することが出来たら褒めてあげることも、お子さんの成長に繋がると思います。

作業療法士*てつ先生
経歴:作業療法士歴11年
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。