喃語が多い子への接し方って?言語聴覚士が解説!

言語聴覚士*はる

2024/01/08

はじめに

喃語(なんご)とは何かご存じでしょうか? 言葉の発達途中に出る「まんまん」や「ぱぱぱぱ」など、意味のある言葉ではないですが、 同じような音を繰り返している様子を喃語といいます。 これが出ると、「成長しているな」「言葉は何を話すかな」と楽しみになりますよね。 しかし、いつまでたっても喃語ばかりだと心配になりませんか?
今回は喃語が多い子の原因や接し方・サポート方法についてお伝えします。

喃語が多い子の原因

喃語が多い子の原因は大きく分けて3つあります。

①耳

まず1つの原因は「耳」で、そもそもはっきり聞こえているのかどうかが大切になります。 もやもや聞こえる、低い音・高い音は聞こえにくいなどの理由で言葉の発達に支障をきたしてしまうのです。
物音や声掛けに反応するのか、乏しい場合はどんな音が聞こえにくいのか、すべて聞こえないのかなど細かくみていきましょう。 何か気になることがある場合は最寄りの耳鼻科などで専門家にみてもらってくださいね。

②話すのに必要な器官の発達がまだ途中

言葉をお話しするには、口や舌の筋肉が発達し正しく素早く動かせたり、 呼吸をしっかりとったりなど、さまざまな器官が関係しています。 その器官の中で1つでも発達がゆっくりな器官があると、そのとき必要な力を出し切ることはできません。
息をしっかり吸ったり吐いたりしているか、口周りの筋肉は体は大きくてもよだれがだらだら流れないか、 食事はしっかりお肉なども噛めるかどうかなど日常の様子からも筋肉の発達の様子を確認することができますよ!
また姿勢もとても重要なので、体の筋肉もしっかり発達し体全体を支えて正しく安定した姿勢をとることも重要です。
このように言葉の発達には、口周りだけではなく全身の筋肉の発達も必要不可欠なので確認してみてくださいね。

③理解力

言葉の意味の理解や、どんな音でその言葉が成り立っているかなど音の理解、 その音がどんな順番で並んでいるのかどうかそれぞれについて正しく分析し、理解できていることが大切です。 言葉の意味を理解しても、伝えようとしている言葉の音や並び順の理解ができていないと、 正しい発音ができず、意味のある言葉にはならないのです。
聴力や全身の発達に特に大きな問題はなさそうだけど、なぜか意味のある言葉を発さない! そんなときは、理解力も評価していく必要があります。

喃語が多い子の接し方とサポート方法

①子供の言っていることを真似する

喃語が多い子供の言っていることを推測することは難しいですよね。 しかし「なに言っているの?」「ちゃんと話して」と怒ることは好ましい対応とはいえません。 何を言おうとしているかわからなくても、しっかりコミュニケーションをとろうとすることが大切です。
子供は親の表情や雰囲気をみています。 そのため、話をすることで怒られる、表情が曇っているなどの反応が多いと 子供はコミュニケーションをとることを拒否するようになってしまいます。
まずは子供が言っている「あうあう」や「まんまん」を真似してコミュニケーションをとることを楽しんでいきましょう!

②伝えたいことを推測して返す

子供が一生懸命伝えようとしていることを、推測して言葉で返しやりとりを深めていきます。 うまく言葉を話せていなくても、表情が楽しそうであれば「楽しいね」「うれしいね」などと声をかけ、 悲しそう・怒っているといった表情のときは「いやだったね」などと言語化してあげましょう。
上手く言葉になっていなくても、発音すること自体は子どもにとってはコミュニケーションのひとつです。 それをしっかり受け止める姿勢を見せていきましょう。

③口元の動きを見せる

子供とふれあい遊びや歌、絵本を使ってかかわっているときに口の動きをゆっくり見せていきます。 それだけでも音が理解しやすくなったり、口の動かし方が分かりやすくなったりします。
大人は自分が思っている以上に早口で話しかけています。 最近ではコロナの影響もあり、マスクの人も多かったこと、さらに早口なのも影響して理解が阻害されていることもあるのです。 日常で子供への話かけ方を気を付けてみてくださいね。

④褒めてさらに正しい言い方で伝える

喃語ばかりだったり、話せていても言い間違いが多かったりすると、思わず「違うよ!」と止めたくなりますよね。 親としては「しっかり話してほしい」という気持ちになるのは仕方がないことだと思います。
ただ、子供に話すことは「楽しい」と感じれるように、まずはしっかり伝えようとしていることを「褒める」
そして、さりげなく「〇〇だね」と正しい言い方を伝えてあげるとよいですよ。

まとめ

今回は喃語が多い子への接し方やサポート方法についてご紹介しました。 言葉をうまく話せなくても子供は表情や目線、動作で伝えようとすることを表現しています。
その気持ちに寄り添って受け入れたうえで、コミュニケーションの意欲を伸ばしてあげましょう。 また言葉も強い言い方で正しい言い方を伝えるのではなく、 さりげなくできるだけ大きく口を動かして伝えていきましょう!

言語聴覚士*はる

経歴:言語聴覚士歴:10年目

2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに

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