クレーン現象とは?発達障害との関連やコミュニケーションの取り方について
作業療法士*てつ先生
2024/12/13
はじめに
クレーン現象という言葉は、人によってはあまり馴染みのない言葉かもしれません。
クレーン現象とは、子どもが何かをしたい時、または何かをしてほしい時に他者の手を使って要求を示す行動です。
例えば子どもが何か物を取ってほしい時に大人の手を引っ張り、物を取ってほしいことを催促します。
このクレーン現象は、自閉症の子に見られる行動の1つとされています。
今回は、クレーン現象が見られる子への支援やアプローチなどをご紹介していきたいと思います。
クレーン現象は問題がある?
クレーン現象が見られたから自閉症や発達障がいと診断されるわけではありません。
言葉の発達が遅れている子は、上手く自分のしたいことを伝えることが苦手なため親の腕などを引っ張り催促します。
クレーン現象は定型発達の子でも見られる現象であり、特に1歳~1歳半などの言葉を使ってのコミュニケーションができないこともあります。
そのような時期は様々な方法で要求を伝えようとしますが、その方法の一部としてクレーン現象が見られる時もあります。
例えば、お菓子が食べたい時にもお菓子の言葉がわからないため、指差しをしたり、親の手を引っ張り要求を伝えます。
クレーン現象はいつからなくなる?
クレーン現象がなくなる時期には個人差があります。 一般には言葉が増えてきたり、コミュニケーション手段が増えてくるにつれてクレーン現象は減ってくると言われています。 成長に伴い、言葉や簡単なコミュニケーションの力を身につけることで自然と少なくなってきます。
クレーン現象が見られる子への支援やアプローチについて
指差しの練習
クレーン現象が見られている時は、指差しの意味を理解することも大切です。
指差しができることによって、お子さんの意図が周囲に伝わりやすくなります。
指差しの練習では、実際に大人がお手本となります。
例えば、子どもが欲しいお菓子を大人が指差して「あれかな?」と言いながらお手本を見せます。
その他にも、景色や通り過ぎる動物や物に対しても一緒に指差しの練習を行うと良いでしょう。
さらに、子どもが欲しい物や興味がある物を指差しで選んでもらう練習も効果的です。
大人が代わりに言葉を伝えてあげる
例えば、子どもが大人の手を取り、欲しいおやつの傍まで引っ張った時は「おやつが食べたいの?」と言い、おやつを渡します。
コップを取ってほしい欲しい要求を見せた際は、「コップちょうだいだね」と、子どもが伝えたい気持ちを大人が代弁することで伝えたい言葉の意味が少しづつ理解できてきます。
そして、子どもにも「言いたいことが伝わった」ことを伝えてあげることも大切です。
子どもは、様々な方法で大人に気持ちを伝えようとしますが、上手に伝わらない場合はもどかしさを感じているかもしれません。
子どもの気持ちを受け止めてあげることが大切であり、意思が伝わったことをお子さんに示すことも大切です。
おわりに
クレーン現象が見られた場合は、子どもの代わりに言葉を伝えてあげることが大切です。 子どもの気持ちをそのお子さん自身に伝えることで、言葉の意味が理解できるようになることも考えられます。 クレーン現象が見られた場合は、その行動を止めることはしないで受け止めてあげることも大切です。
作業療法士*てつ先生
経歴:作業療法士歴11年
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。