発達が気になる…発達検査や診断は受けるべき?
心理士*hima
2024/04/23
皆さんが発達検査(や発達相談)を受けよう、医師に出会って我が子を診てもらおう、と考えるまでには色々な経緯があると思います。 市町村の健診等で声をかけてもらったという方、ご家族やご友人などから提案された方、ご自身でお子さんについて考え、理解を深めたいと思った方…きっかけは様々ですよね。
検査や相談、診断について、受ける「べき」かどうかはご家庭の事情や目的、願いによって異なります。 ただ、現役心理師のわたしからお伝えできることは「相手の心理師や医師、あるいは保健師さんなどは決してあなたとお子さんを脅かす存在ではない」ということです。
診断について
最初に知っていていただきたいことは、心理師や医師に出会ってお話や検査をする機会があったとしても、相談や受診や検査を受ける=診断される、というわけではないということです。診断は医師のみが行える行為であるため、診断を受けたい(お子さんの様相がいわゆる発達障がいに当てはまっているのか知りたい)時には、医療機関を受診していただくか、市町村に医師の相談日がある場合はそちらを利用していただくことになります。
診断を受けるに当たっては、お子さんの乳幼少期からの様子や成長の状況、現在の様子や気になる点、困っていること(本人が、周りが)などを詳しく伝え、発達検査などの結果も加味して、様々な視点から診断基準に当てはまるかどうかを医師が判断することになります。
発達診断をしている医院は限られるため、かなり先まで予約が埋まっていることもしばしばあります。発達を診ている小児科や小児精神科があるかを確認し、一度お電話等で予約状況や必要なものなどを尋ねてみられるのが良いでしょう。いきなり病院に連絡することがためらわれる時は、お住まいの市町村の子育て支援の担当課にお尋ねください。きっと、そのエリアの相談機関を教えてもらえると思います。
相談のみの場合でも、診断を希望する場合でも、医師が正しくお子さんを理解するための情報(生育歴等)を整理して書き出したりしておくことや、尋ねたいことを考えていくことが大切です。限られた時間でのお話になるため、しっかり準備して行きましょう。「子どもを育てるためのアドバイスや注意点を教えてもらいたい」「診断がつくのであれば教えて欲しい」「子どもの性質について説明して欲しい」「診断を聞く心の準備がまだできていないので、診断名はまだ言わないで欲しい」など、ご家族の希望を伝えておくことで、よりニーズに合ったお話を聞くことができます。
冒頭の「べき」かどうかについてですが、医師の診断書や意見書が必要な場合には、受診と診断が必要です。具体的に挙げると、児童発達支援のサービス(児童デイ)を利用したい場合や、加配の先生に付いてほしい場合、支援クラスに入級したい場合などです。自治体にもよりますがこれらの場合には「診断」を受けていただく必要があると言えるでしょう。逆に、それ以外の場合には「診断」は必ずしも必要ではないと言えるかもしれません。診断のあるなしに関わらずお子さん自体は同じ存在です。その子をいかに理解し、どのように関わっていくのかということが大切なポイントになります。
発達検査について
わたしたち心理師はこの段階でお会いすることが多いですが、結論から言いますと「もし気になることや悩んでいることがあれば、構えず気軽に来てもらいたい」です。 検査を通してお子さんの今の発達の段階や得意不得意などチェックし、必要な手助けや励まし、苦手なところを補う方法、次に身につけてほしい課題…などをお伝えしていくことができます。
もし、今何か困りごとがあるのだとしたら、なぜそれが起こっているのかのヒントと解決策を得られるかもしれません。検査を受ける目的は、検査を通してお子さんを理解し、必要なことや大切なことを考えていくことだとわたしは思っています。
検査を受けた方のほとんどが「来て良かった」「まずどうしたらいいかわかった」「不安を聞いてもらえて安心した」「もっと早く来たら良かった」などの感想をくださっています。
発達検査と聞くと構えてしまいがちですが、困りごとの原因を探すための血液検査や視力検査と同じようなものだと考えてみてください。 もしも悩まれている方がいましたら、一歩踏み出してみられても良いと思います。
心理士*hima
経歴:心理士(師) 12年目
1女児のママ心理師です^^
発達凸凹、繊細さん、あまのじゃくさん、様々なタイプのお子さん、ご家族、園や学校の先生のサポート(検査、療育、相談など)を仕事にしています!