「字が苦手、書けない」のは何故?お家で楽しくできる練習方法を紹介!
作業療法士*てつ先生
2024/10/30
ひらがなを書けるようになる年齢はおよそ4~5歳頃と言われています。 お子さんの中には、3歳頃でも字を書き始める子もいます。 世の中にはたくさんの字の練習方法が存在しており、どの練習方法が正しいのかは一概に言えないかもしれません。 練習方法も大切ですが、目の前にいるお子さんのモチベーションも深く関わってくると私は感じています。 さらに、お子さんが主体的に字の練習方法に取り組めることが私は何よりも一番の練習方法だと思っています。 今回は私が児童発達支援に携わる中で実践している字の練習方法をご紹介していきたいと思います。
字の練習で大切なことは?
子ども達と接するうえで大切にしていることがあります。 それは「楽しむ」ことです。 自分が「楽しくない」「つならない」と思いながら練習や課題を行っていては、練習効果も上がらないうえ、学んだことを身につけることも難しくなります。 誰にでもいえることですが、「楽しい」「またやりたい」と思える方が練習効率もあがり、集中して目の前の課題に向き合えると考えられます。 お子さんの主体性を大切にすることが、お子さん達が成長する鍵となると私は信じています。
主体性で考える字の練習
そのような主体性を字の練習に当てはめて考えてみみましょう。 よく字の練習で見かけるのが、ドリル帳でひたすらひらがなをなぞり書きする練習風景をよくみかけます。 しかし、お子さん自身は、線からはみださないことに必死になり過ぎてしまい、本来の「字を覚える」ことに意識が向きにくい状態となっているかもしれません。 さらに、長い時間同じ反復練習の繰り返しもお子さんにとっては飽きてしまう要因になっていると考えられます。 このようなことから字の練習を行ううえで大切なことは、お子さんが少しでも集中できて、楽しいと思える環境作りが必要になります。療育の現場で実践している
練習方法を紹介!
私が発達支援の職場で実践している字の練習方法をご紹介します。 まずお子さんが字を覚えるうえで大切なことは、馴染みのある文字から覚えることが大切です。 その馴染みのある文字とはお子さん自身の名前です。 例えば、太郎くんならば「たろう」の文字から練習を行います。
練習の準備
練習の準備としては、名前の文字をプリントアウトした紙、絵具セットを用意します。 「たろう」の「た」から始める場合は、最初に大人が好きな色で、プリントアウトされた文字を上から書き順りになぞり書きします。 その後に、大人がなぞり書きした字の上から同じように好きな色でお子さんに文字をなぞってもらいます。 これを繰り返すだけです。お子さんのなかには、書き順であったり、どうやって書いたらいいか?の理解が難しいお子さんもいるため、周囲の大人が最初に書き順を示してあげることでお子さん自身も書き易くなります。 さらに、大人とお子さんで重ね書きをすることで色の変化も楽しむことができます。
この練習は繰り返しが大切ですが、お子さんの気が乗らない時などは無理をして練習をする必要はありません。 ゆっくり練習をしながら見守ってあげましょう。 私の放課後デイに通われているお子さんのなかで、最初は名前すらも書けなかったお子さんが今では名前を書くことができるようになったお子さんがいます。 そのお子さんが来所されるたびに「字の練習がしたい」言ってくれます。 もしかしたら字が書けるようになってきたと実感することができるようになり、自己肯定感も感じているのではないでしょうか。
おわりに
字の練習だけではなく、様々な練習で物事を身につけるには継続が大切です。
そして、成果よりも練習する過程が何よりも大事だと私は思っています。
成果や結果ばかりに目を向けてしまうと、目の前にいるお子さんの頑張っている姿が見えてこないと私は感じます。
字の出来栄えも必要ですが、それ以上にお子さん達と関わり合い、楽しみながら字の練習を行うことで、自然と書く能力も身についてくると感じています。
今回ご紹介した字の練習方法は、簡単で誰にでも実践できることですが、好きにアレンジしても大丈夫です。
もしかしたら私が実践している練習方法よりも効率的な方法があるかもしれません。楽しんで字の練習をしてみてくださいね。
作業療法士*てつ先生
経歴:作業療法士歴11年
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。