宇宙語が多いけど大丈夫?1~2歳の言葉の発達とお家でできる促し方
言語聴覚士*はる
2025/12/28
はじめに

子どもの言葉の発達過程で、「何を言っているかわからないけど、一生懸命話している」様子を見たことはありませんか?
これをよく「宇宙語」と呼びます。この時期の子どもはとても愛らしく、つい微笑んで見守りたくなりますよね。
しかし、宇宙語が長く続くと「意味のある言葉はいつ出るの?」「家で何か支援できることは?」と不安になる保護者の方も多いでしょう。
今回は、宇宙語が多いお子さんにできる家庭での関わり方や言葉の促し方をご紹介します。パパやママの参考になれば幸いです。
目次
宇宙語の出てくる時期

宇宙語が見られるのはいつ?
宇宙語は「あーうー」などの母音を中心に発声する喃語が出た後、意味のある言葉の数が増えるまでの時期によく現れます。特に多いのは1歳~2歳頃です。
言葉の発達には個人差があり、初語が遅い場合や、まだ少ない場合は、宇宙語の期間もその分長くなることがあります。
宇宙語は言葉の発達の“準備段階”
宇宙語は、子どもがまだ言葉の理解や表現が十分でない中で、自分の気持ちを伝えようとする自然な段階です。
言葉が不明瞭で何を言っているかわからなくても、子どもはしっかりと伝えたつもりでいます。そのため、伝わらないことで泣いたり怒ったりすることもありますが、親が繰り返し聞き、反応してあげることで、コミュニケーションの意欲はしっかり育ちます。
まずは「話したい」という気持ちを受け止めて、やり取りを楽しむことが大切です。
宇宙語で話す子どもへの接し方

① 子どもの気持ちを推測して受け止める
宇宙語は意味のある言葉が少ないため、何を言っているのかわからないこともあります。しかし、子どもの視線や動作を観察することで、言いたいことの内容を推測できることがあります。
推測して反応してあげることで、子どもは「聞いてくれている」と感じ、さらに伝えたい気持ちが育ちます。
例え推測が間違っていても、手渡したり行動を一緒にしたりして「聞いているよ」という姿勢を見せることが大切です。
② 繰り返しや相槌で「聞いているよ」を伝える
言葉が聞き取れず、内容も推測できないときは、子どもが発した宇宙語をそのまま繰り返して返してあげましょう。
たとえば「あーうー」「まーあーあ」といった言葉に、大人も「あーうー」「まーあーあ」と反応します。
声で反応してもらえることで、「話しても聞いてくれる」という経験が増え、伝える意欲を伸ばせます。
忙しいときは、相槌だけでも十分効果的です。「そうだね」「うんうん」と返す、視線を合わせて笑うなど、小さな反応でも子どもは安心します。
家庭でできる!言葉の促し方の工夫

① 物の名前をシンプルに伝える
宇宙語で指さしているものに対して、「これは靴だよ」と短い言葉で伝えます。「靴だね」「履こうね」「外に行こうか」といった簡単な文章で教えるのがおすすめです。
最初は言えなくても、少しずつ「くっくー」「くー」と発音できるようになり、言葉の理解や発語につながります。
② 絵本やことば遊びで「共有する楽しさ」を育てる
絵本を一緒に見ながら指さしたり、宇宙語を話していたら「そうだね〇〇だね」と名前を教えるなど、楽しみながら言葉を学べます。
親子でのやり取りの中で「共有する楽しさ」を経験することが、言葉の理解や発語の促進につながります。
2歳を過ぎても宇宙語が多いときは?

2歳を過ぎても宇宙語が中心で意味のある言葉が少ない場合、保健師の健診や言語聴覚士、療育施設での相談を検討するのも安心です。
家庭での取り組みは、無理せず親子の触れ合いの一つとして楽しむことが大切です。専門家と家庭での関わりを併用することで、より効果的に言葉の発達を支えられます。
まとめ|宇宙語は「ことばの芽」成長をあたたかく見守ろう

宇宙語は、子どもが言葉を学ぶ大切な準備段階です。
意味のある言葉を話せなくても、親が話したい気持ちを受け止めて反応することで、コミュニケーション意欲は自然に育ちます。
家庭での小さな言葉かけや絵本の時間を通して、子どもの発語をサポートしながら、親子のふれあいも楽しんでください。

言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに






