ボールを投げられない・キャッチできない子どもへの支援方法|運動苦手の特徴と家庭でできる練習 コラム詳細|ふぉぴす

ボールを投げられない・キャッチできない子どもへの支援方法|運動苦手の特徴と家庭でできる練習

作業療法士*てつ先生

2026/03/27

ボール遊びは子どもにとって身近な遊びですが、運動が苦手な部分や発達の特性に気づくきっかけにもなります。
今回は、ボールの投げ方やキャッチなどの動きから見える特性と、家庭や支援の場でできるサポート方法について解説します。

目次

ボール遊びで分かる子どもの運動特性

作業療法士として私が関わってきたお子さんの中で、ボールを投げる時に相手にボールが向かわず、天井にボールがぶつかったり、中には床に一直線にぶつかってしまうことがよく見られます。
ボールをキャッチしようと試みるも、何度もお子さんの額にボールが当たってしまい、取り損ねてしまいます。
その際、お子さんは両腕を伸ばしてボールが向かってくるのを待っていますがなかなか取れません。

投げるのが苦手な子の特徴

投げることに関しては、「順序立てた動き」が苦手なことが考えられます。
ボールを投げる時の動きを順序立てるとこうなります。

腕を後ろに引く

腕を振ると同時にタイミングよく
ボールを離す

この順序立てで、相手にボールを投げることができます。
しかし発達特性などで順序立てた動きが苦手だと、腕を上手に振れたとしてもボールを手放すタイミングが分かりません。そのためボールが天井や床に向かってしまうことが考えられます。

キャッチが苦手な子の共通点

苦手な子に共通することは、キャッチする際に目でボールに焦点を当てることが難しく、眼球運動が拙い点です。 素早く眼球を動かすことや一点に集中して見続けることも難しい様子が見られます。
また、ボールが向かってくる前から両手を力いっぱい伸ばしてキャッチしようとする様子を見るとボールがくることを理解しているようにも見えます。
しかし、これはボールがどこに向かってくるのかを予測することが苦手なため、「逆に腕を伸ばしていないと取れない」ということが考えられます。

順序立てと一連の動きの重要性

ボールをキャッチする一連の動きとは…

ボールがくることを認知

ボールの着地点を予測

腕を伸ばして取る

ということです。
この動きを順序立てて実行することが難しいとキャッチが苦手になってしまいます。
キャッチができる子は腕を伸ばしていなくてもボールの着地点を予測し、そこに入ることができます。

日常生活での困りごとに繋がることも

ボール遊びで見られる苦手な動きは、日常生活の困りごととつながることがあります。遊びの中で観察できる特性を理解することで、家庭や学校での支援にも役立てられます。

眼球運動や集中力の問題

ボールをキャッチする際、目でボールに焦点を合わせ続けることや素早く眼球を動かすことが難しいお子さんもいます。この眼球運動の苦手さは、日常生活では黒板の文字をノートに写す板書や、机上の作業での集中力に影響することがあります。

注意散漫や衝動行動との関連

ボールが来る方向やタイミングを予測するのが苦手な場合、キャッチの際に両手を力いっぱい伸ばしてしまうことがあります。この行動は、思いつきで行動したり、場のルールを守るのが難しかったりするなど、注意散漫や衝動行動にもつながります。一つのことに集中して物事を取り組むことが苦手であり、注意がそれやすいこともあります。

ボール遊びから日常生活の特性を予測

ボール遊びの中で観察される苦手さは、日常生活の困りごとを予測するヒントになります。たとえば、集中力の維持が難しい、順序立てて行動するのが苦手、衝動的に動いてしまうなどの傾向は、学校生活や家庭での活動でも見られることがあります。こうした特性を早めに把握することで、個々に合った支援や声かけを工夫できるようになります。

このように何気ないボール遊びの中でもその子自身の特性や、日常生活の苦手なこと、困りごとをある程度予測することができます。

ボールを投げる・キャッチする練習方法

最初は大きいボールで両手投げ

最初に大きいボールを使い、両腕で投げることをおすすめします。
片手でボールを投げることが苦手なお子さんは、手を放すタイミングが分からないことが多いです。
両腕で投げることで、手を放すのタイミングが分かりやすく、身体を安定させることができます。

ゲーム感覚で標的に投げる

さらにゲーム感覚で標的に向かって投げることで、よりボールを投げる感覚が掴みやすくなります。
私が勤務する放課後デイサービスではペットボトルなどを使ってゲーム感覚でボールを投げてもらっています。

キャッチ練習は角度や距離を変えて

ある程度ボールを投げることが上手になれば、次はボールキャッチの練習が理想的です。
この時も大きめのボールを使いましょう。
練習を行う際はお子さんに対して前方から投げるだけではなく、左右など様々な角度から投げてあげると眼球運動の練習にもなるので効果的です。

まとめ
ボール遊びで育む運動と脳の発達

現代はテレビゲームをする子が増え、長時間目を一点だけに集中するため、目を動かす機会が少なくなっています。 目を動かさない時間が長いと目の筋肉が衰え、日常生活に支障が出る可能性もあります。
さらに目は脳と深い繋がりがあり、動かすことで脳が活性化されます。
たくさん目や身体を動かすと脳の活性化や身体機能の成長がより高まるので、ボールや遊具を使った遊びがおすすめです!

作業療法士*てつ先生

経歴:作業療法士歴11年

作業療法士として働いています! 感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。

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