【発達のあれこれ】よく聞く発達特性ってなに?はじまりは「ちょっと気になる」
ふぉぴす編集部
2025/04/17
「ちょっと気になる」が始まり

子どもを育てていると、「他の子とちょっと違うかも?」と感じる瞬間があるかもしれません。
たとえば、同じことに強いこだわりを持っていたり、大きな音が苦手だったり、急な予定変更に混乱してしまったり…。そんな日々の“ちょっと気になる”行動の積み重ねから、いろんな情報を調べる中で「発達特性」という言葉に出会った、という保護者の方も多いのではないでしょうか。
でも、「発達特性」と聞いても、専門用語のようでなんだか難しく感じてしまうこともありますよね。実はこの言葉は、子どものことをよりよく理解するための“やわらかい入り口”としてとても大切なキーワードなんです。
発達特性ってなに?

「発達特性」とは、その子なりの感じ方や考え方、行動の特徴のこと。医学的な診断名がついているかどうかに関係なく、「この子はこういう特性をもっているんだな」と捉えるニュートラルな表現です。
例えば、強いこだわりや感覚の過敏さ、切り替えの難しさ、人との距離感のとり方の独特さなど。ある子にとっては、ちょっとした物音でも気になって集中できなかったり、言葉よりも視覚情報の方が理解しやすかったり…。得意なことと苦手なことの差が大きい、というのも特徴のひとつです。
大人にとっては「なんでそんなことにこだわるの?」と思ってしまうことも、子どもにとっては「当たり前で大事なこと」だったりするのです。
「困った子」ではなく「違いがある子」

発達特性のある子どもは、決して「困った子」ではありません。
その子なりの“世界の見え方”や“感じ方”があって、それが周りとちょっと違うだけなのです。
でも、周囲の理解がないと、その違いが「わがまま」「育てにくい」と受け取られてしまうことも。そうすると、子ども自身も「自分はダメなんだ」と感じてしまい、自己肯定感が下がってしまうことがあります。
まず大切なのは、「この子はどうしてそう感じるんだろう?」と視点を変えてみること。たとえば、音に敏感な子が騒がしい場所で泣き出してしまったとき、「うるさくてつらかったんだね」と気持ちに寄り添ってあげるだけで、子どもは安心しやすくなります。
“できる・できない”ではなく、“どんなサポートがあれば安心できるか”を一緒に探していく視点がとても大切です。
困っているのは子どもだけじゃない

そして忘れてはいけないのが、「困っているのは子どもだけじゃない」ということです。
保護者であるあなたも、きっと毎日いろんな思いや不安を抱えているはずです。
「育て方が悪いんじゃないか」「他の子と比べてしまう」「誰にも相談できない」——そんなふうに思ってしまう日があっても、おかしくありません。でも、それはあなたが一生懸命向き合っている証拠です。
今は、発達特性のある子どもを支える支援の場も少しずつ増えてきています。療育施設、相談支援、発達支援センター、そして同じような悩みを持つ保護者のコミュニティなど。「ひとりじゃない」と思える場所に出会えるだけで、心がふっと軽くなることもあります。
最後に

「うちの子はちょっと違うかもしれない」と気づいたその瞬間から、子育てはもう“支援”へと変わっています。
無理に直そうとしなくてもいいんです。まずは「この子はどんな特性をもっているんだろう?」と知ってあげること。その視点が、子どもの毎日をぐっと過ごしやすくしてくれます。
発達特性のある子どもたちは、自分のペースでゆっくりと、でも確実に成長しています。保護者のあなたが、日々の中で気づいたこと、試してみたこと、うまくいかなかったことも全部、子どもとの関係をつくる大事な経験です。
焦らず、比べず、まずは今日できることをひとつずつ。
その歩みのすべてが、きっとお子さんの未来につながっていきます。

ふぉぴす編集部
経歴:ふぉぴすを運営してる会社で働いている人。好物は甘いもの