か行が言えない?「うがい」で分かる発音チェック&楽しくできるトレーニング方法!
言語聴覚士*はる
2025/01/22
はじめに

言葉を覚えたての子どもたちの発音は、ときどき幼さもあり愛らしいですよね。
ただ、成長していくなかで、発音はつたないままだとパパやママは心配ですよね。
今回は「か行」が苦手な子に対するおすすめのアプローチ方法を紹介していきます!
発音の発達は何歳から言えるの?

言葉の発音の発達には個人差があります。
通常、5歳・6歳ごろにはすべての発音が言えるようになると言われています。
1~2歳:パ・バ・マ行
2~3歳:タ・ダ・ナ行
3~4歳:カ・ガ行、ハ行、シャ・チャ行
4~5歳:サ・ザ・ラ行、ツの音と発音
このように、言葉の発音の発達は進んでいきます。
上で述べた通り、か行が可能になるのは3歳〜4歳くらいです。
か行は舌の奥の方を上下に動かすことで発音できます。
そのため、発音を練習するには舌の奥の方を動かせるようになる必要があります。
そこで、有効といわれているアプローチ方法は「うがい」です!
うがいは、上をむいてがらがらとしますよね。
このとき、人は自然に誤って水を飲まないように、舌の奥の方を挙げてのどにふたをしているのです。
つまり、「か」の発音と同じ部分を鍛えることができます!
ただ、うがいができない子もたくさんいますよね。
まずは確認から始めてみましょう。
それではうがいから「か」の発音方法をお伝えしていきます!
①「うがい」を正しくできているか確認する
うがいに限らず、どの行為も正しい動作ではない状態で色々な部分の動作のお手伝いをしている可能性があります。
そのため、まずはこの動作を正しくできているか確認する必要があります!
うがいは水を口に含んだ状態で上を向き、舌は奥の方をあげて行います。
うがいをしている時に覗き込んでみて、もし舌の前の方が持ち上がっていたら、正しいうがいの方法ではありません。
洗面台だけではなく、お風呂などで遊びながら行うのもおすすめですよ♪
②口の中に水を含んでおく練習
まずは上を向かずに水を口の中にいれて、飲み込まずにだします。
水鉄砲の様に勢いよく出したり、ぶくぶくとしてから吐き出したり、楽しみながらやることがポイントです!
どっちが遠くに飛ばせるかゲーム感覚でもよさそうですね!
「待ってねー」と言いながら、水を口の中に含んでいる時間を徐々に長くしていきましょう♪
10秒ぐらい飲み込まずに溜められるようになればばっちりです!
③口に水を含んだまま上を向く練習
水を口に含んだまま、上を向きます。
はじめは上を向いたらすぐに下を向いて水を吐き出すようにして、徐々に時間を長くしていきます。
子どもがむせてしまうようであれば、無理しないですすめていきましょう!
④うがいの練習
「うがいをしてみよう」と声かけして、今までのように水を口の中に含んで上を向いてもらいます。
その状態で、「あーーー」と真似をして言います。
上を向いて口の中に水を貯めていると奥舌が上がった状態ですので、その状態で「あーーー」と発声すると「うがい」ができます。
⑤水なしでうがいの音を出す練習
「か」の発音につなげるために、徐々に水を減らしていく練習です。
「ちょっとだけのお水でやってみよう」と声かけしながら、1〜2滴口の中に入れてください。
その状態でうがいの音を出してもらいます。
もしできなかったら、少し水を増やして練習します。
このまま徐々に減らして、水なしでうがいの音を出す練習です。
水を入れるふりをして、入れないでうがいをするように伝えます。
うがいの構えは「か」の発音に近いので、そのまま声を出してもらうと、「か」「が」に近い音を出すことができます。
⑥「か行」の発音をしていく
①~⑤がでいるようになれば、「か」の発音の準備はばっちりです♪
1文字の「か」から初めて、発音の練習を開始していきます。
それができたら、母音+か行で練習して徐々に長い文章で練習します。
これをすべて完了できれば「か」の発音の練習につながっていくのです。
うがいを練習する時の注意点
うがいの練習では、誤って飲み込んだり、むせてしまうことがあります。
むせて苦しい思いをしたり、鼻に入って痛かったりすると、子どもは練習が嫌になります。
練習の際には、必ず大人が見守りながら行っていきましょう!
また、ある程度言っていることの理解力が必要なので、相手の言っている内容の理解がまだ難しい子には適応しません。
そのときは無理なさらないでくださいね♪
か行がどうしても言えないときの
受診・専門機関への相談の時期は?

専門機関の相談の時期の目安としては、年中さんになったタイミングをおすすめとしています。
その時点で、同じ音が長く言えていない状況なのか、または、発音の苦手さを本人が気にしているかを考えてみてください。
どこに相談するにしても、予約をとる段階で時間がかかることが多いため、早め早めの行動は必要となります。
ですが、子どもが嫌がっているのに無理をしても本人が練習に参加できないので、そこは子どもの様子を見ながらやっていきましょう!
相談先としては、専門職による医療機関や市・区の保健センターなどがおすすめです。
発音の苦手さが原因でコミュニケーションに支障がでているような場合は、言語聴覚士の方がいて、発音について集中して指導してもらえる場所を探してみてくださいね。
まとめ

今回はか行が苦手な子へのおすすめなアプローチとして、「うがい」について着目しながら紹介しました。
いままでも同じことは述べていますが、何より子どもが楽しめない限りは、練習につながらないので遊び感覚でやっていきましょう!
また、どの練習もその人との信頼関係がとても大切なので、日々コミュニケーションをとっていってくださいね。

言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに