【体験談】子どもの不登校 ~子供に寄り添いながら自分自身にも寄り添って~(後編)
当事者ママ*はるゆうママ
2025/01/17
前編は保育園に通っている時に現れた我が子の変化、それに伴う母の気持ちや寄り添い方について、お話ししました。
後編は、現在も不登校が続いている小学校生活についてお話したいと思います。
学校への見通しを持たせること、
ハードルを下げることの大切さ
小学校では支援学級への入級が決まっていたので、まず入学式までに学校と連絡を取り現在の状況を伝えました。
見通しが持てないことは全くできなくなっている為、卒園式も参加することは出来なかったこと、そして入学式にも参加することが難しいと思うことを伝えました。
すると学校側は、入学式の前日に我が子の為に入学式の練習の時間を作ってくれました。
我が子と共に入学式前日に学校へ行き、入学式が開催される体育館の雰囲気や座る位置など共に確認しました。
そして、当日発表される予定であった学級担任の先生とも顔を合わすことができました。
練習のお陰か、入学式は短時間のみですが参加することができました。ですが、翌日以降、やはり登校することはできませんでした。
我が子にとって何が学校に行きたくない理由なのか色々考えました。
我が子の場合は全ての見通しが持てないと実行することは出来ません。
また、その見通しも難しいものになると取り組むことは出来ません。
学校との相談、見通しを持てるようにやったこと
まず最初に距離の見通しが持てない我が子の為に車での送迎を学校へ相談しました。ですが小学校も全児童の安全を見守る必要があるため、なかなか首を縦に振ってはくれませんでした。
そのため、主治医に相談し、主治医からも『できるだけ学校でのハードルを下げること、その中での成功体験や達成感を重ねることが大切』とのご意見を頂き、 診断書を作成してもらい教育委員会へ提出しました。
そして車での登下校の許可を頂くことができました。
通学へ向けて次に取り組んでみたこと
次に取り組んだことは学校での楽しみや安心材料です。
我が子だけでなく、自閉スペクトラム症の子供達は環境の変化をとても不安がります。
その中で、自宅で遊び慣れた物を学校へも持参することで“学校での逃げ道”を準備することに取り組みました。
学級担任と支援級担任に相談し、教室・支援教室の二ヶ所にリラックススペースを準備して欲しいと提案しました。
学校側は快く了承してくださり、段ボール箱で我が子用の個室を作ってくれました。その中に私が用意したマットや布団や使い慣れている枕などを設置しました。
学校に登校するためのハードルを車登校することで下げ、学校での安心要素を準備しましたが、それでも登校回数は増えませんでした。
そのため、学校へ行く我が子だけの目的を決めました。『ママは色んな人に挨拶する練習をするために学校に行きたいんだ』と話しました。
最初は校門の警備員さんに挨拶するだけで帰るという動作を繰り返しました。
少しずつ慣れてくると、支援級の部屋まで挨拶に行けるようになりました。
振り返って感じること、現在も取り組んでいること
今思えば、校門までは車で行くことで距離のハードルを下げれましたが、校門から下駄箱までの距離のハードルがあったのだと思います。毎日支援級の先生に挨拶をしては帰ることを繰り返しました。 そこから支援級担任と個別の時間のみ私含めた3人で過ごすようにしていき現在も継続しています。
また、好きなパズルを学校へ託し、課題の一つに取り入れてもらうことで、支援教室での課題実施にも少しずつ取り組める日もあります。
大切なことは、我が子のハードルが何か考え下げること。そして自分自身を褒めてあげてください
現在も試行錯誤の中で私自身も、どれが正解かなんて分かりません。きっと同じように不登校に悩まれている親御さんは多いと思います。
私が取り組んでいることが全ての不登校のお子さんに合うとは分からないですが、まずは校門まで一緒に行くことや、車で学校まで行き、車内から先生と挨拶するような
低いハードルからトライしてみるのも一つなのかなと思います。
不登校になる理由はお子様によって様々です。
我が子のように学校への見通しが持てず不安なお子様、先生に分かってもらえず辛くて行けないお子様…、親御さん自身も辛い日々を送られているかと思います。
でも、我が子のことを考えている自分自身を、まずは褒めてあげてください。
このコラムを読んでくださっている時点で、十分頑張っておられる、自分自身を褒めてあげてご褒美を自分にあげてください。
自分自身がしんどい状態だと、私自身“負”の考えしか思い浮かびませんでした。
不登校が小学校に入ってから本格的に始まり、終わりが見えない現在に至るまで…、正直落ち込まなかった日がゼロということはありません。
“どうして私の子供が”と泣いた日もありました。でも、それって自分自身へも“登校させることがゴール”と高いハードルを課している事に気づきました。
我が子の食事を準備し、我が子の時間に寄り添う…十分私頑張ってると思うようにすると楽になってきました。
もちろん人間なので欲を出すこともありますが、今の子供に寄り添っている自分を褒めて楽になってくださいと伝えたいです。
同じ"不登校"に悩む方へ
以上が現在も不登校が続いている子供を育て、格闘している私の現在の取り組みや気持ちを書いてみました。 不登校のお子様を育てている親御様の心労は計り知れません。終わりが見えないトンネルを私自身、歩いている気持ちになります。今も、我が子の為に試行錯誤して一喜一憂する日々です。ですが、主治医を始め、様々な方のご意見を頂戴しトライする…、
今の私にはそれしかできません。 でも、そんな私を私は褒めまくり、ご褒美に大好きなドーナツを自分に買うことで、私自身も労っています。
このコラムを読んでくださっている方もゴールの見えないトンネルを歩き“なぜ我が子が…”と悲しい気持ちになっている方も少なくないと思います。
でも、このコラムを読んでいる時点で模索に頑張っておられます。そんな自分を褒めて、自分に寄り添ってあげてください。
当事者ママ*はるゆうママ
経歴:6歳ASD不登校児と4歳ADHD強めのASD兄弟をマイペースに見守るママです!