【体験談】子どもの不登校 ~子供に寄り添いながら自分自身にも寄り添って~(前編)
当事者ママ*はるゆうママ
2025/01/10
はじめに
我が子の不登校、どのように寄り添い、親である自分自身はどのように接したら良いのか…、終わりはくるのか…など、
きっとゴールの見えない出来事に心身ともに疲弊している親御さんも少なくないと思います。
今回は絶賛不登校の6歳小学1年生の自閉スペクトラム症の子供を育てている私が現在に至るまでの気持ちや子供への寄り添い方などについて書いていきたいと思います。
3歳後半で自閉スペクトラム症と診断、徐々に訪れた予兆
息子である長男は3歳半の時に自閉スペクトラム症と診断を受けました。
その後、中度知的障がいも発覚し療育手帳も持っています。そんな息子は小規模保育園から3歳の時、認定こども園へ加配のサポートを受け転園しました。
先生のフォローを受けながら、そして周りのお友達に助けてもらいながら保育園生活を送っていましたが年長の時に少しずつ予兆が見え隠れし始めました。
息子が通っていた保育園では、年長になった冬になると小学校へ向けて、鉛筆を持ち、線を書く練習を始めます。
ですが、通所していた療育先でも自宅でも鉛筆を持って何かを書くということに強い抵抗を持っていた息子は、
その時間が始まると「保育園行きたくない」と言い始めました。
私はすぐに鉛筆で書く時間が始まったからだと思ったので、すぐに保育園の先生へ相談しましたが、
先生からは「不安にならないように一緒に鉛筆を握って取り組んでいます。嫌がるような動作はなかったです」との返答を受け続けました。
自閉スペクトラム症の子供は「いやだ」という気持ちを誰にでも表出できるわけではありません。
そして一緒に鉛筆を持って取り組む動作…、発達障がいの子供達には自由を制限される不快な行動の一つなので、とても心配でした…。
ただ、保育士のプロである先生に預けている手前、こちらも強く言えませんでした。
今思えば、この時に資料などを持参したり主治医からの意見を伝え、書く時間を受けないようにしてもらえれば未来は変わったのか…。
息子に申し訳ない気持ちが今でも消えません。
「保育園行きたくない」と泣いて訴えられた日
心配しながらも保育園に通い続けていた日、ある日突然朝に「保育園行きたくない」と気持ちを伝えてくれました。
理由を聞いても「つまんないから。ママがいい。」と明確な理由を伝えることができないようで…
ただ、いつもと違って表情も暗く、食欲もなく明らかにいつもと違っていました。
ただ、時々行きたくないという訴えはあったので、その日は連れて行きました。
先生に行きたくないと訴えている内容もお伝えして預ける時に「ママ行かないで!!」と訴える息子を先生は抱きしめ「大丈夫ですよ!」と私の背中を押してくれ、
私は仕事へ行きました。途中、保育園へ電話をすると「楽しく遊んでますよ!」と返答があり、安堵しました。
ですが、お迎えの時「ママ、もう保育園行きたくない」と、やはり訴えてきました。
すぐに利用していた訪問看護先の先生にご相談し、助言をうかがうと「嫌がってるときは無理に連れて行かない方が良い。
親子の信頼関係が築けなくなり、長い目で見ると良い方向へいかないと思う」とのことでした。
仕事を調整するべく、翌日も保育園へ行くために制服に着替えようとすると初めて「着たくない!行きたくない!ママは置いて行くんでしょ。」と
泣いて訴えました。
母として“もう限界なんだな”と思いました。その日から有休消化し、退職の運びとなりました。
そして保育園は、その日を境に行けなくなりました。その保育園の道を通るだけで「ママ!置いて行かないで!」と泣くようになりました。
正直、保育園でも一人で遊ぶことが多いこと、自己肯定感が低く、他のお友達が出来ていることができない場面で癇癪を起こすなど
生きづらさがあるのだろうなと思っており、
いつかは行きたくないという日が来るのかなと心のどこかでは思っていましたが、
こんなに早く、その日が来るとは思わず“ドラマの世界が現実になった、自分の番になったんだ…”と終わりが見えないことに不安が押し寄せました。
息子の気持ちを確認しながらの保育園生活 ~卒園へ~
保育園の園長先生を始め、改めて話し合う機会をいただき、主治医や家族と相談したうえで、
保育園へは園庭開放や残りのイベントなどのみ本人の意思を確認しながらの参加をしていくこととなりました。
毎朝、息子に「今日は保育園に行きたい気持ち?」と確認すると開口一番「今日も保育園行きたくない」と返答が帰ってくる毎日でした。
私は「行きたくないなら行かなくてもいいよ。少しだけみんなと遊んでママと帰るでも良いんだよ。〇〇の嫌がることはしないよ。」と伝え続けました。
最初は全く行かなくなった保育園にも、置いて行かれないと信じてくれるようになったのか、
園庭開放やイベントなど少しの時間だけ、園行事に参加し、お友達と過ごす時間も作れました。
そして、卒園式が近づいてきました。我が子の状態を見ると、正直、卒園式には行けないだろう、
行きたい気持ちにならないだろうと予想していたので、先生と相談しました。
先生としては“みんなで一緒に卒園したい、保護者席で座る形でも良いから来て欲しい”でしたが、
私の中で無理はさせたくなかったのと卒園式の練習にも全く参加できていない状態で当日参加させても本人にとっては見通しの持てない苦痛の時間になると思い、
素直な気持ちを先生へ伝えました。
何度も何度も話し合いをし、最終的に我が子はzoomで参加をしました。
パソコン越しに、たくさんのお友達が名前を呼びに顔を見に来てくれ、表情は硬かった我が子でしたが、みんなと一緒に卒園式を迎えることができました。
私の中では、“みんなと一緒にその場で参加したかった”などと言うマイナスなイメージはなく、
今まで我が子の苦しみに気付いてあげられなかった申し訳なさでいっぱいでしたので、できる限り我が子に寄り添いたいという気持ちだけでした。
なので、zoomという形でも一緒に参加できたことが、とても嬉しかったです。
そして、次は入学式が近づいてきました…。
※この記事は体験談として掲載させていただいております。気になる症状がある方は医療機関への受診をお願いいたします。
※写真はイメージです。
当事者ママ*はるゆうママ
経歴:6歳ASD不登校児と4歳ADHD強めのASD兄弟をマイペースに見守るママです!