「言葉が遅くて不安…」そんな不安を解消!子どもの言葉の世界を広げる方法

言語聴覚士*はる

2024/07/19

子どもは約1歳前後に言葉で話すことを覚え、そこから多くの言葉を学んでいきます。発達の中でも分かりやすい指標となります。そのため、同年齢のお友達と比べて、「うちの子、言葉が少ないけど大丈夫かな?」と心配になることはありませんか?言葉の成長には個人差があるので、自分の子どもが話せる言葉が少ないと気になりますよね。今回は、語彙力を伸ばすことがどんなメリットがあるのか、そして子どもの言葉の世界が広げられるような方法を紹介していきます。

語彙が増えることのメリット3つ

言葉が増えるということは、親にとって嬉しいことだと思いますが、実際にどんなメリットがあるのかご存知でしょうか?メリットは全部で3つあります。

自分の気持ちや考えを言葉で表現できる

お友達や家族など、人と関わる生活の中で「自分はこうだよ!」という意見を言えるようになります。何か嫌なことがあったときは、「〇〇が嫌だった」、悲しいときは「これが悲しかった」などと自分の思いや不満を言葉で伝えられるのです。これができないと、自分の気持ちを伝える手段が泣く、人に手を出す、いじけるなどの方法になります。このように自分の言葉で気持ちを表現することは、不安や不満を解消するだけではなく、人間関係のトラブルも避けられますよ。

自分で自分の思考を理解できる

今自分が何を感じているのか、これは自分にとってどんなものか、どうしていきたいかなど、思考を理解して幅を広げられます。例えば、ママと絵本を読むことは「楽しい」ということが理解できると、この行為を「もっとしたい」「次はこれを読んでほしい」と自分の要求の幅が広がります。「もっと」という気持ちが育つと、さらに言葉を覚えて表現しようと子どもは努力しますよ♪

落ち着きが出てくる

語彙が増えて、自分の気持ちを伝えたり、要求を伝えたりできると、自分も相手も自分自身を理解しやすくなります。そうすると、人とのコミュニケーションがとりやすくなり、「わからない」と不安になることも減ります。精神的にも落ち着いて日々生活できるようになります。このように、「語彙を増やす」ということは、日々の生活を豊かにし、情緒面にも良い影響をもたらします。

語彙を増やして言葉の世界を広げる方法は?

語彙を増やして子どもの言葉の世界を広げる方法は全部で4つあります。

1. 大人とたくさん会話をする
2. 絵本をたくさん読む
3. 実体験をする
4. 声かけを工夫する

子どもの言葉の成長には個人差があり、必ずしもこの方法をとったからといって言葉が絶対に増える!というわけではありません。子どもはその子なりのペースで成長していきますし、何かの理由でその発達に遅れがある場合もあるので、「なんで増えないのか」と焦ったりせずに、その子ができていることをたくさん褒めて、関わってみてくださいね。それでは以下でそれぞれについて詳しく紹介していきます。

大人とたくさん話をする

ママも家事や育児、なかにはお仕事もされていたりと忙しい日々を送っていますよね。そんな時、スマホやテレビ、ゲームなどに頼ってしまう事も全然あると思います。私自身も、子どもがおり、仕事が終わるとご飯を作り終えるまで動画をみて待たせるなどの対応をします。ママが無理をしない程度に生活していくのが一番なので、その手段は間違えではないのですが、その代わり他の時間に沢山顔を見ながらお話をする時間を作っていきましょう。

また、その会話の部分でおもちゃを渡しながら「ありがとう」といったり、包丁を握りながら「とんとん」といって切ったりなど、動作と言葉を結びつけるように心がけると、子どもは言葉で説明されるより意味を理解して結びつけられますよ。

絵本をたくさん読む

絵本を読むという行為は、親と子の触れ合いだけではなく子どもが、言葉そのものに興味をもちやすくなります。この絵本を読み、「楽しい」「面白い」と感じる時間を子どもと共有することで、子どもはさら絵本を介したコミュニケーションを望み、要求するようになるでしょう。

実体験で経験して覚える

幼児期の子どもは椅子に座って勉強し、言葉を学ぶよりも、生活体験から言葉を覚えるので、生活に関わりのない言葉には興味関心を示さず、覚えようとしません。例えば、保育園や幼稚園に入園したばかりの子どもは「運動会」というものを知りません。しかし、園でかけっこやお遊戯を練習し、それが「運動会」のためのものということを経験し、本番を向かえることで子どもは「運動会」という言葉を覚えます。また、怪我をすると、絆創膏を貼ります。そこで怪我をすると「痛い」、怪我を治すには「絆創膏を貼る」ということを覚えます。このように子どもは経験から言葉を覚えていくので、実体験が多く生活経験が充実している子ほど語彙が増えていくといわれています。全身を使って5感を使って、経験し、そのときに経験をパパやママが言語化して声かけをしていきましょう

声かけを工夫する

子どもは言葉を知らないので、「この気持ち、今起こっている感覚をどうやって伝えよう」と表現できずにいることもあるので、大人がその様子を「今〇〇だね」「△△だね」と声かけをすることで、これはこういう風に表現するんだ!と学べます。例えば、暖かい日に散歩すると、「今日はぽかぽかしているね」「暑いね」「汗がでてきたね」などと目に見えないことや実際に起きている様子を言葉にすることで様々な表現を学びます。 一緒に色々なことを感じて、言葉にしていきましょう!

まとめ

今回は、子どもの言葉の世界を広げる方法について紹介していきました。子どもにとって、言葉を覚えるのには「経験」と「声かけ」が大事ということがわかりました!一緒にさまざまな経験をし、その経験を共有しながら声かけをして子どもの語彙を増やし、表現力を身につけられるように関わっていきましょう。

言語聴覚士*はる

経歴:言語聴覚士歴:10年目

2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに

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