癇癪で困る子育て中のママ必見!イヤイヤ期と発達障がいの違いと対応法 コラム詳細|ふぉぴす

癇癪で困る子育て中のママ必見!イヤイヤ期と発達障がいの違いと対応法

心理士*hima

2025/10/20

癇癪を起して泣く子どもの様子

子育てをしていると、「イヤイヤ期」という言葉を耳にすることが多いかもしれません。

この時期は、1歳半ごろから3歳ごろまでに見られることが多く、「イヤ!」「ダメ!」「〇〇がやる!」などと、どんなことにも強い拒否反応を示すのが特徴です。
そのため、「魔の2歳児」「第一次反抗期」と呼ばれることもあります。

では、このいわゆる“イヤイヤ期”の姿と、発達障がいのあるお子さんが見せる“癇癪(かんしゃく)”には、どのような違いがあるのでしょうか。

幼児期の癇癪とイヤイヤ期とは

癇癪を起した子どもをあやす母親の様子

癇癪とイヤイヤ期の違いはあるの?

最初に結論からお伝えすると、「明確に区別する方法はない」「イヤイヤ期特有のものなのか、発達障がいに関連する癇癪と呼べるものなのかはその時にはわからない」と言って良いと思います。

まず何より、幼児期のお子さんは脳のありとあらゆる機能が未熟です。

大人と同じようにお喋りしているお子さんであったとしても、見通しを持つ力や我慢する力、自分と他者を区別する力などはまだまだ発達の途中であるため、おとなと同じように考えたり、反省したり、過去の経験から気をつけたり、目の前に見えているのに我慢したりすることはできません。

そもそも子どもは未発達

不機嫌な子供を抱える母親の様子

幼児はそもそも我慢が難しい

気持ちややる気のコントロールを司る前頭前野の成熟は20歳前後であるといわれています。大人になった知り合いの子を見て「あのヤンチャだった子がこんなに落ち着いて…」という感想を持たれることは理にかなっているわけですね。

脳の機能の中で、「がまん」する力は4歳くらいから育ってくると言われています。

それまでの時期のお子さんは一見我慢しているように見えていたとしても、それは「お父さんが怒っていて怖いからやめている」「お母さんが〇〇を取り上げるからやめている」というようなその場しのぎの行動であることがほとんどで、目的を意識して自分の意思で我慢しているとは言えません。

そのため幼児期の癇癪については、わたしはいつも「気を逸らす一択」とお伝えしています。説得したり説明したりしても、それをもとにお子さんが我慢を選択するということは難しいからです。

子どもの脳はレーシングカーみたいなもの

道端に倒れこんで泣く子どもの様子

幼児期のお子さんの脳はプロ仕様のレーシングカーのようなもの、とよく言われます。

お子さんは自分が乗っている乗り物であるにも関わらず、操作方法はよくわからず、何となく触ったり押したり操作することを試みたらいきなりの急発進急ブレーキの連続で、とにかく常に翻弄されています。

そもそも、発達障がいが癇癪を引き起こすということはなく、「脳の働きがうまくいかずに自分で自分をコントロールしきれず情動の制御ができない」という状態はイヤイヤ期のお子さんと同じです。

我慢ができるようになる年齢はいつ?

怒られている子どもの様子

5歳頃から見えてくる我慢と自己調整

全てのお子さんに当てはまるわけではありませんが、5歳くらいになると、ある程度の我慢ができるように脳が成長してくるといわれています。

この頃になると、買い物中泣き叫んで寝転んだり、地団駄をふんで怒りまくる…というような様子は滅多に見られなくなってきて、代わりに言葉で何とか要求を通そうとする、事実と違うことを言ってその場をなんとかしようとするというような方略が取れるようになってきます。

予想外の出来事でパニックになる場合も

パニックになり泣き出してしまった子供と慰める母親の様子

この時期にさしかかっても、ゲームでの勝ち負けにこだわって負けが受け入れ難く、負けそうになると泣き叫んだりめちゃくちゃにする、だったり、自分の予想と異なる出来事が起こり(思っている通りにならず)パニックを起こして怒りわめく、といった振る舞いが多く見られる場合は、同年代のお子さんに比べて脳の機能に凸凹があったり、脳の成熟が緩やかなタイプのお子さんなのかもしれません。

癇癪がある=発達障がいではない

癇癪を起して泣きだしてしまった子供の様子

大切なのは「お子さんをよく観察すること」

大切なポイントは、目の前のお子さんを十分見て理解することです。

その中で「こういう時にはこの行動や反応が起こりやすい」「このような対応をした時にスムーズに納得できた」「この対応は余計にヒートアップしてやめた方がよかった」「落ち着くまでにはどうやら30分くらいかかるようだ」など、そのお子さんの関わり方のパターンが見えてきます。

まとめ|癇癪の理解と子育てのヒント

ベビークレヨンを使用してお絵かきを楽しむ親子の様子

お子さんの「取り扱い説明書」を作るつもりで関わろう

癇癪のひとつひとつにとらわれず、ぜひ落ち着いてお子さんの取り扱い説明書を作るつもりで関わってみてください。

対処方法がわからない、ひとりではどうにもならない!という時には、専門家の力を借りるのもひとつです。わたしたち心理士もいつでもみなさんのご相談をお待ちしています。一緒に対応策を考えることができますので、いつでも気軽にお声掛けくださいね。

心理士*hima

経歴:心理士(師) 12年目

1女児のママ心理師です^^ 発達凸凹、繊細さん、あまのじゃくさん、様々なタイプのお子さん、ご家族、園や学校の先生のサポート(検査、療育、相談など)を仕事にしています!

せのびーる

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