宇宙語が多いけど大丈夫?お家で出来る接し方・言葉の促し方
言語聴覚士*はる
2024/11/25
はじめに
子どもの言葉の発達の過程で現れる、何をいっているかわからないけど一生懸命何かを話している様子を宇宙語といいます。この頃の子どもの様子はとても愛らしいですよね。
しかし、この宇宙語、あんまり長く続いたり、多いと少し心配になりませんか?
意味のある言葉はいつ出るのだろう、家で何かできることはないか、等さまざまなことを考えますよね。
そこで、今回は宇宙語が多いお子さんにできる支援をお伝えしますよ♪ お悩みのパパやママの参考になれば幸いです!
宇宙語の出てくる時期
宇宙語は、あーうーなど、「あいうえお(母音)」を発声する喃語が出てから、意味のある言葉の数がある程度増えるまでの時期に現れることが多いですよ。
年齢でいうと特に多い時期は1歳~2歳です。言葉の発達は個人差があるので、
初語がまだの場合や、初語が遅かった場合は、ことばの不明瞭な時期もそれだけ長くなります。
お話できる言葉が増えると、自然に宇宙語が減っていきます。
つまり、宇宙語は、お話できるようになるまでの準備段階ですよ!
この頃はまだまだ言葉の理解も発達途中で、お話できる言葉が少ない中で、自分の気持ちを伝えようと子ども自身が考えて表現しているのです。
言葉が不明瞭で何をいっているかわからない言葉が多いですが、子ども本人はしっかり伝えたつもりでいるので、なかなか伝わらないと怒ったり泣いたりしてしまいます。
しかし、親もどんどん成長し、自然と宇宙語を話している子どもが何を伝えたいのか分かってくるのです。
意味のある言葉を話せなくても自分の意思を表出し、相手が理解しようと向き合ってやりとりができれば、コミュニケーションとしては成立しているので、言葉が話せない!とあまり気にしないでくださいね♪
まずは、話したいという気持ちを受け止めて、やりとりをしてコミュニケーションの意欲を伸ばしてあげましょう!
宇宙語で話している子どもへの接し方
それでは子どもが実際に、宇宙語やその子独自のことばでお話しているときは、どのように接すれば良いのでしょうか。
接し方として良い例は2つです。
① 言いたいことを推測する
② 繰り返したり相槌を打ったりする
それでは詳しくご紹介していきますね。
①言いたいことを推測しよう
宇宙語は不明瞭で意味のある言葉が少ないため、何を言っているかわからないことが多いです。
しかし、子どもの言葉をよく聞き、子どもが見ているものを観察すると、言いたい言葉や内容が分かることもあります。まずは視線を追って言葉を推測してみましょう。
推測して、本人の訴えを受け取ることで、子どもは「聞いてくれている」という気持ちになりもっと伝えたい!という気持ちが生まれてきます。
この気持ちがコミュニケーションの発達に欠かせないのでどんどん伸ばしてあげましょう♪
たとえ、違っても良いので、言いたいことを推測して訴えているものを渡したり、行動したり「聞いているよ」という姿勢を見せていきましょう。
②繰り返して言ったり、相槌をうったりする
言葉が聞き取れず、内容も推測できないときには、まずは聞こえた通りに繰り返して言ってみましょう!
例えば、子どもが「あーうー!」や「まーあーあー」と言ったら、大人もとりあえず「あーうー」や「まーあーあ」と繰り返して言うようにします。
声を出して反応してもらえることで、自分の伝えたいことは伝わっていなくても「自分の話しを聞いてくれている」という経験は増えていきます。
家事や育児で毎回言葉を繰り返すのが大変なときには、「そうだね」「うんうん」と、相槌をうったり、視線を向けて笑ってあげたりするだけでも違いますよ!
分からなくて無視してしまうと、子どもは「伝えても意味がないな」と思ったり、「話すって楽しくないな」と思ったりと、コミュニケーションに対して負の感情を抱いてしまいます。
そうすると意欲が伸びないので、できるだけ反応を返してあげると効果的ですよ。
意味のある言葉の促し方
宇宙語は言葉が発達している証拠なので、安心してみていてもよいですが、2歳を過ぎても宇宙語だらけで何をいっているかわからず、検診などでも指摘を受けるとパパやママは不安になりますよね。 実際は言語聴覚士という専門家がいる施設に相談にいったり、療育や病院に通ったりするのもいいですが、子どもに何かしたい!という親心もとても大切です。 今回はご自宅でもできる、言葉の促し方をお伝えしますが、あまり無理せず親子の触れ合いの一つとして実践してみてくださいね。
①伝えようとしている対象の物の名前を教える
例えば、靴を指さして宇宙語を話しているとき、「これは靴だよ。」と名前を教えてあげましょう!「靴だね」「履こうね」「外に行こうか」となるべく短い文章で、伝えてあげると理解がしやすいですよ。
はじめは言えなくてもだんだん自分が指をさしているものが「靴」「外へいくときに使う」「足に履く」とわかってきますよ!
単語の名前すべて言えなくても「くっくー」や「くー」など少しでも違い音が発音できれば、一歩前進です♪
②絵本を読む
絵本を読むこともとても効果的です。一緒に絵本を見ながら指さしなどで共有したり、宇宙語を話していたら「そうだね〇〇だね」と名前を教えたり、色々な方法で言葉の理解を伸ばせます。
まとめ
今回は宇宙語が多い子どもに対する言葉の促し方などをご紹介しました。 思わず意味のある言葉を話させたい!と思ってしまいますが、宇宙語を話せる時点で言葉の発達はしっかり進んでいるので安心して見守り、 お家で子どもとのふれあいを楽しみながらコミュニケーションの意欲を伸ばしてあげてくださいね。
言語聴覚士*はる
経歴:言語聴覚士歴:10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに