さ行が苦手な子に!楽しくできる発音トレーニング
ライター:言語聴覚士*はる
2024.09.23
幼少期に子どもの言葉は急成長します。言葉がたくさん話せるようになってくると、次に気になるのは発音ですよね。
徐々に正しい発音を覚えていくのですが、その中でも「さ行」が苦手なお子さんはたくさんいます。
今回は「さ行」のトレーニング方法についてご紹介しますよ!
さ行はなぜ発音が難しいのか
舌先のコントロールが難しい!
さ行の難易度が高い理由は、舌先のコントロールが子どもにとって難しいためです。
「さ行」は舌先が少し上がるものの、上の歯に付かず間から息が通ることで発音されるという少し高度な技が必要なのです。
さ行やざ行などの習得目安は、およそ4~6歳とされています。
発語自体が遅かった子の場合
ただし発語自体が遅かった子どもの場合は、発音の成長も同じようにゆっくりなケースが多いため、一概にこの年齢とは言い切れません。
そのため、子どもの発達に合わせて様子を見ることも大切になってきます。
どうしても、小学校に上がる前などパパやママとしては「発音が違う!」「もっとはっきり言って!」と言いたくなりますが、
そうすると子どもはどんどん言葉を話すことが嫌になってしまいます。
「〇〇だね」と正しい発音を聞かせる程度で少し様子を見ることも大切ですよ。
また、家で簡単なトレーニングも可能です。ちゃんとできないと発音できないかもしれない!とは思いすぎず、親子で楽しみながらやってみてくださいね♪
おうちでできる「さ行」のトレーニング
さ行の練習は舌の力を抜くことから始まります。
さ行が言えない子のほとんどは、舌に力が入りすぎていることが多いからです。
舌に力が入りすぎてしまうと、発音が「た行」に近い音になってしまうので注意が必要です。
舌に力が入っているってなに?どうやってわかるの?と疑問に思うママやパパも多いですよね。
それでは一緒に確認してみましょう!
①子どもに「ベー」と舌を出してみてもらう
舌がとんがっていたり、舌が真っ直ぐに出せていなかったら、舌に力が入りすぎています。
その場合は、力を抜いたやわらかい舌の出し方を練習する必要があります。
②鏡を見ながら舌を平らにまっすぐだす練習!
力を抜きたいので、舌先に力を入れてとんがったりしないように気を付けましょう!
③繰り返して練習していきます♪
出した舌は平らな状態で保ちましょう。これで確認はOKです!
ストローを使ってサ行の発音練習をしよう!
①ストローから息を細く強く出してみる
初めにストローを舌と上の歯で軽くはさみ、なるべく舌や唇が動かないように注意しながら、息を細く強く出します。 次に、ストローを口にはさむことで、舌が上がりすぎるのを防げます。このとき「フー」ではなく「スー」という音を出すイメージで、息を出してみましょう。
②ストローなしで息を強く出してみる
次はストローを外してみましょう。舌の位置を変えずに、空気がかすれるような「スー」という音が出せることを意識すると良いですよ。 ストローを外すと舌に力が入ったり、舌の位置が上がったりしてしまう場合は、またストローを口にくわえる練習に戻りましょう。
③母音と子音を分けてサ行を発声してみる
ストローを使わずスムーズに「スー」と息を出せるようになったら、そのまま母音の「う」をつなげて発音してみましょう。「スーう」というイメージです。
それができたら、「スーあ」「スーい」と、子音から母音へつなぐ発音の練習をしていきます。その後。「スあ」「スい」「スう」と、
息を出す音をどんどん短くしていくことで、サ行の発音へと近づいていきます。
発音練習は焦って沢山やるより、丁寧に正しい動作を少しずつできるようになることが大切です。
そのため、少しでもできないことがあれば、ステップダウンし、ひとつ前の工程に戻って正しい動作の取得を目指しましょう♪
「さ行」の単語を含む発音練習をしよう!
さ・し・す・せ・その発音のコツがつかめたら、次はさ行を含む単語の発音練習にチャレンジしてみましょう!
さくら、さいころなど単語の一番先に「さ」の音がくるものが、比較的簡単です。
次に「おすし」や「ますく」などの語中音のもの、最後は語尾の単語のものを練習するとよいでしょう。
さ行の単語を含む発音練習のあとは、短い文章から長い文章へと発音練習をしていきますよ!
まとめ
今回は、さ行が苦手な子におすすめのトレーニングについて紹介しました。
一番身近にいるパパやママは子どもの発音を聞いて、不明瞭だとどうしても気になりますよね。
ご紹介した内容は、ご自宅でもできる方法ですが、実際に発音が気になるお子さんは言語聴覚士という専門職がいる施設で一度しっかり見てもらい、
練習の計画を一緒に考えて実施していくことが一番安心かと思います。
お子さんの様子をみながら、ぜひふれあって楽しみながら実践してみてくださいね。
はる
経歴:言語聴覚士 10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに