一人で靴を履けない、着替えが苦手な子へ!楽しくできる練習方法
ライター:作業療法士*てつ先生
2024.09.06
発達特性のあるの子の中には、一人で服を着替える事や靴を履く事が苦手なお子さんが多く見受けられます。例えば…
・服の前後が逆、裏返しでも気づかない
・靴の左右を逆に履いてしまう
・靴を履くこと自体に長く時間がかかる
こういった困りごとの原因の中には、目で物事を見る力が弱かったり、動作を理解するための集中力を持続させることが難しいことなどが挙げられます。
今回は靴を履くことや着替えが苦手な原因や対策について、詳しく話していきたいと思います。
一人で靴を履くことや着替えが
苦手な原因は?
靴を履くことが苦手な原因は様々ですが、視線を足元に向けることが苦手なことや、お子さん自身が足の形状に合わせて靴を履くのが難しい、ということが主な原因として挙げられます。
また発達障がいや発達特性で気が散りやすい子は、足元に注意が向かないことが多いです。
さらに自分の足の感覚を認知する能力も低く、自分の足がどう動いているのか、自分の足がどのような形になっているのかを理解していないことがあります。
そのため靴を履こうとしても、左右逆に履いてしまったり、足元に注意が向かないため踵を踏んだまま靴を履いてしまったり、履き終わるのに時間がかかってしまいます。
着替えに関しては、特に衣服の前後や表裏がわからないお子さんが多く、靴を履くことと同様に視覚で物事を正しく見ることが苦手なため、
視覚で衣服の位置関係を理解することや身体感覚の鈍さから衣服の着脱の際の腕や足を通す場所を判断することも難しくなってしまいます。
靴を一人で履くことが苦手な子へのサポートについて
靴が履けなくて悩んだとき、何度も靴を履く練習を繰り返すことはあまりおすすめしません。 楽しみながら練習を行うことが大事で、理想的です。
お風呂で出来る!楽しく靴を履く練習方法
おすすめの練習法で、お風呂の時に楽しくできるものがあります。それは「お子さん自身で足元を洗う練習」を行うことです。
そのときお子さん自身にこの二つを感じてもらえるよう、意識してほしいです。
①足元に注意を向ける意識の理解
②足の形状をお子さん自身で理解する目的
身体を洗う機会は多いと思いますが、意外と足を洗うことは忘れがちになっているのではないでしょうか。
バスチェアなどに座ったまま、お子さん自身の手で足裏や足指の感覚を感じてもらいながら洗うことが大切です。
手が足先まで届かない時や一人で洗う事が難しいお子さんには、親御さんと一緒にお子さんの手を添えてあげながら洗うこともいいでしょう。
お子さん自身で足元を洗う習慣が身につくことで、足元に注意が向きやすくなります。
靴を履くスキルに必要な「足元に注意を向ける」ことに繋げることができるのです。
衣服の脱ぎ着が苦手な子供に
対するサポート
発達障がいや発達特性によって、視覚から図形の模写や立体的に物を見ることが苦手なお子さんは多いです。
その影響で、衣服の位置関係を把握することが難しいことが考えられます。
対策としては、衣服の前や表の袖や裾にシールなどを貼り、目印をつけて視覚的にわかりやすく援助してあげることが効果的です。
ズボンも同じようにポケットの位置にシールなどの目印をつけてあげるとわかりやすくなります。
服に貼るシールは、子供の好きなキャラクターのシールや可愛いシールを貼ってあげることで、モチベーションをもって着替えの練習に取り組むことができます。
段々と着替えが一人でできるようになればシールなどの目印をつけずに着替えをしてみましょう。
おわりに
衣服自体に関しては、柄や絵がプリントされて前後や表裏がわかりやすくなっている服などもあるため、そのような服などを試してみるのもいいと思います。 大事なことは、お子さんに靴や衣服の練習を無理強いしないことです。 楽しみながら練習ができれば理想的ですが、気持ちがのらない日も必ずあるため、お子さんのペースで練習を進めていくことが大切になります。
てつ先生
経歴:作業療法士 11年目
作業療法士として働いています!
感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。