外出先で衝動的に行動しやすい子への対応って?【前編】

ライター:公認心理師*やまおさん

2024.10.02

はじめに

外出に行って嬉しさのあまり、はしゃぎたくなるのは自然なことです。 非日常の場面となれば子供も大人もつい楽しくなりますし、そういう場面があるのは人生において必要なことだと思います。
ただ、子どもだと下記のような場合もあります。
・初めて知らない所に来て不安があり、落ち着いて行動することができない(=人から見ると異常にテンションが高く見える)
・どういう場所か分からず、どう行動すれば良いのか分からないため、不適切な行動をしているように見える

今回は前後編に分けて外出先でも、子どももその周囲の人も、安心して安全に行動するためにはどうすれば良いのか、ということについてお伝えしていきたいと思います。
前編では外出先に到着するまでに出来ること、後編では、外出先に着いてからの行動についてお話しします。

なお、外出先でだけ衝動的なのか、外出先でも衝動的なのか、についても対応は変わってきます。 常に衝動的に行動してしまって本人、あるいは周囲が困っているという場合には専門機関への相談をおすすめします。

事前に全体の計画や行程を伝える

子どもはどうしても、今ここに意識が集中しやすく、そのために落ち着いて行動できないということがあります。 衝動的に行動してしまいやすい子どもや、不安が高い子どもが外出するにあたっては、その全体の計画や行程を事前に伝えてあげることが有効です。
今日は朝からどこに行って何をして最終的にはどうなるのか、ということをきちんと伝えてあげれば、子どもも子どもなりに行動を意識しやすくなります。

声のかけ方の例

例えば、「プールに行って、夜は外食で好きな物を食べる」というプランをきちんと説明しておけば、プールから帰りたくないと駄々をこねる可能性は減ります。 プールでテンションが上がりすぎているなと思えば「まだまだ楽しいことがあるから、ゆっくりやろうね」と声をかけることもできます。
特に不安が高い子どもには、事前に予定を伝えておくことが必要です。

予定変更があるときは…?

こういった話をすると「でも、予定変更することもありますよね?」という質問を必ずいただきます。 それは、予定変更が有り得るということも伝えてあげたら大丈夫です。
例えば、プールに行って遊ぶということを伝えます。それだけを伝えておいて、前日に雨が降っていたら子どもが落ち着かないということはよくあります。 プールに行って遊ぶけれども、雨の場合はどうするかということも伝えておくと、よりスムーズになります。

ちなみに、計画や行程を知ってもらうためには、外出の計画段階から子どもに参加してもらうのが理想的です。
・時間配分をどうするのか
・予算的にはいけるのか
・参加者全員が楽しめる計画なのか など

外出を計画する時に大人だけではなく、子どもと一緒に考えることは、子どもの発達を促進するのにとても良い機会でもあります。ぜひ、試してみてください。

外出先に着いた時が大切

外出時の例をより具体的に考えていきましょう。現地に着いたタイミングでの関わりがとても大切です。
車で行っていれば駐車場に止めた段階、公共交通機関であれば現地の前まで行った段階で、まずは大人も子どもも落ち着きましょう。 「楽しみなのは分かるけど、ちょっと落ち着いて話を聞いて」と大人が落ち着いた行動で声をかけて、子どもが落ち着くまでじっと待ちましょう。
ここの段階でバタバタと動いてしまうと、修正するのが難しくなってしまいますので、ここで一度落ち着くことは非常に大切です。


ー後編:外出先に着いてからの行動について へ続く
後編は次週の公開予定です。

やまおさん

経歴:公認心理師 20年
児童福祉の分野で心理士をしています。発達障害児への心理教育や、虐待被害を受けた児童への心理ケア等を担当しています。


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