年齢ごとの言葉の目安は?何歳でどれくらい話せるようになる?
ライター:言語聴覚士*はる
2024.07.29
近年、療育や保育の現場で注目されている「ことば」はいつ頃から出て、どのように発達していくのか気になりますよね。「ことば」は0歳~4-5歳までの間に急激に成長します。ことばと身体は密接に関連しているので、同時に身体の発達も切り離せない問題とはなりますが、今回は「ことば」のみに注目して解説していきましょう。
〇生後 2~4カ月頃~笑い声とクーイング~
生後2か月頃から赤ちゃんは「あー」「うー」といった母音(あ~おまでの音を母音といいます)を発するようになります。これは「クーイング」といい、低月齢の赤ちゃんの発声のひとつで、赤ちゃんの機嫌がよいときに出る声です。生後3か月を過ぎたころから、くすぐりや息を吹きかける動作を繰り返し行うと、声をだして笑うようになります。生後4か月頃から「あーあー」「うーう」と母音を繋げたクーイングを発し、徐々に「喃語(なんご)」へと移行していきます。
〇生後4~6カ月~音で遊ぶ、クーイングから喃語へ~
この時期は、クーイングから喃語(なんご)への移行期です。「キーキー」と高音を出したり、「うーうー」とうなったり、いろいろな高さや長さの音を出して、音で遊びながら音声を試しています。伸ばした母音「あー」「いー」「うー」や、子音+母音「かぁ」「たぁ」「はぁ」「まぁ」などの基礎となる音のまとまりを発しはじめます。
〇6カ月~ばぶばぶ、ばばば・規準喃語の登場~
この時期から、喃語(なんご)が登場するようになります。喃語は「ぶー」「まんま」などの子音や濁点を含んだものです。「ばばばば」と連続する喃語の繰り返しは「規準喃語」と呼ばれます。その他の喃語の種類は、子音+母音1つの「重複喃語(「だぁだぁだぁ」など)」と、いろいろな子音+母音を組み合わせた「多様喃語(「まぁくぅぶぅ」など)」があり、赤ちゃんはさまざまな組み合わせの音を発するようになるのです!
〇1歳前後~発語出現期~
このころから、子どもは物や人や動物などに名前があることを知り始め、「わんわん」「ブーブー」など、一語文で表現します。この頃には、環境から刺激をうけて、子どもから自分からコミュニケーションをとろうとします。空を飛ぶ飛行機を指さして、「ひこーち」というなど、指さしで共有することもでてきます。言葉は、子どもの関心や大人との関わりとともに発達していくので、この「共有」や「興味・関心」を大事にし、伸ばしていき、たくさん関わって言葉を発達させていきましょう!
〇 1歳半前後~言葉の広がり期
このころから、言葉への意味づけが急速に発達していきます。それまでは、犬をみて「ワンワン」、電車をみて「でんちゃ」と1対1の対応で、少しずつ学んでいましたが、1歳半をこえた辺りから言葉の理解がグンッと高まります。1日に新しい言葉を覚える目安は、1歳4か月で18語、1歳半では33語程度と、徐々に新しい言葉を覚えるスピードが速くなっています。
しかし、この頃はまだ言葉を完全に理解しているわけではなく、話す相手の表情や状況から総合的に理解しています。いわば、意味を理解しようと試行錯誤しながら新しい言葉を学んでいる状態です。 そのため、発音がまだ不明瞭だったり、言い間違いはあったりしますが、間違いを強くただすのではなく、「〇〇かな?」と正しい言葉をさりげなく交えながら、楽しくコミュニケーションをとっていきましょう!
〇2歳~3歳
このころから、多くの子どもが「2語文」を話すようになります。 一般的には、知っている言葉が50語〜100語程になると、2つの語をつなげられるようになるといわれています。最初は「ママ だっこ」「まんま たべる」など、単語をつなげただけの組み合わせですが、2語文を習得するとすぐに3語、4語とつなげた文法での発語がみられるようになります。2歳半くらいになると、「電車にのっておでかけする」や「おばあちゃんにもらった本よむ」のような、説明する言葉が入った文を話せるようになります。
〇3~4歳
3歳後半から4歳前半にかけては、一連の出来事の流れを言葉で話すことができます。また、多くの言葉が理解できるようになり、表現力も豊かになります。そして、徐々に相手の気持ちを考えたコミュニケーションをとったり、場に応じて話す内容を変えたりと使い分けもできるようになってきます。
まとめ
今回は、言葉の年齢ごとの発達の目安についてご紹介しました。この目安は、あくまでも目安なので、言葉の発達には個人差があることも忘れずに、何よりもコミュニケーションをとることが「楽しい!」と感じられることが大切なので、そういった関わりを大事にしていきましょう。この記事が、言葉の発達の目安を知りたいあなたの参考になれば嬉しいです♪
はる
経歴:言語聴覚士 10年目
2児の母をしながら、児童発達支援施設にて、楽しく遊びながら子供たちの「伝えたい!」という気持ちを育てることをモットーに