【オウチで出来る】お片付けや整理整頓が苦手な子への対策は?

ライター:作業療法士*てつ先生

2024.07.03

子どもは、遊びに夢中になってしまうと次から次へとおもちゃを出してしまい、そのおもちゃを出す事に満足してしまいます。さらには、遊ぶ事に満足してしまって遊びが終わった後のお片付けを忘れてしまう事もしばしばあります。その結果、大人に怒られてしまう事がよく見られるパターンではないでしょうか。

お片付けや整理整頓ができるようになると、見た目がスッキリするだけではなく、次に遊ぶ時に物が取りやすくなります。さらには、物をきちんと整理することで、物と物の位置関係を把握することもできるようになります。また、普段からお子さんがお片付けや整理整頓ができるかどうかは、周囲の環境や大人が普段からやっているかどうかなど、生活環境からも影響されます。もしかしたら、お子さんだけではなく、周囲の大人にも原因があると考えられるので生活習慣を振り返ってみるのもいいかもしれません。今回は、お片付けや整理整頓ができない要因を分析し、その支援方法などを取り上げていきたいと思います。

物の形状に沿って物を握ることが苦手

おもちゃには、様々な形をしたおもちゃや大きい物や小さい物などのおもちゃがあります。特に小さいお子さんは、まだ手のアーチが未形成な事が多く、掌が平べったくなっている事があります。このアーチが形成されていない状態では、物の形状に合わせておもちゃを握る事が難しく、おもちゃを上手に握る事が難しくなってしまいます。そのような場合、無理に小さい物や全てのおもちゃを片付ける必要はなく、お子さんが持ちやすい大きい物などからおもちや箱に入れる練習をしてみましょう。また、最初は2~3個のおもちゃから片付け、徐々に片付けるおもちゃの数を増やしていきましょう。両手も上手く使えるようになるために、おもちゃを右手で持ったり、左手で持つなどの工夫もしてみましょう。

力加減をコントロールすることが苦手

小さいお子さんは、力が弱く、重い物を持つ事が苦手な事が多いです。さらに、視覚的に重い物や軽い物を見た目で判断する事も苦手なため、急に重い物をたくさん持ってしまい、床に落とすことや、足に物を落として怪我をしてしまう可能性もあります。そのように重い物を運ぶ場合は、小分けにして運ぶよう声かけをしたり、箱やかごなどに入れながら運ぶように声を掛けてあげましょう。さらに、力加減をコントロールすることが苦手なお子さんに多く見られるのが、物をおもちゃ箱などに乱暴に入れてしまうお子さんも多いことです。

お子さん自身は、わざと乱暴に入れているわけではなく、力加減をコントールする能力が低い事が原因として起こるからです。このような場合でも、最初に大人が優しくおもちゃ箱などに入れるお手本を見せてあげてから、お子さんにも同じようにおもちゃ箱に入れるよう行うことが大切です。さらに、お手本を見せてあげると同時に、声をかけてあげることも必要です。例えば、お子さんが力を入れすぎていると感じた場合は、「優しく入れてね」「そんなに強く入れ過ぎたらおもちゃが可哀そうだよ」など、声かけにも工夫ができるといいですね。

物を見分ける力が弱い

パズルや物や形を見分ける力が弱い場合は、整理整頓や片付けも苦手になってしまいます。そのような場合、視覚的な支援として片付ける場所の写真を用意したり、箱に色を付け、色に分けて物を片付ける工夫が有効です。形を見分ける力が弱いお子さんは、普段からパズルなどの遊びを行うと良いです。物を立体的に見ることや物と物の位置関係を把握することが苦手なお子さんも多いので、パズルやブロックで楽しく遊んでみましょう。

こまめにお片付けができる習慣が大切

物やおもちゃを散らかしたままにしてしまうと、お子さん自身は、散らかしたままの方が居心地良いと誤った考えが身についてしまう可能性もあります。そのため、遊びの途中でもお片付けができる習慣を身につける事が大切です。これは、親御さんからの声かけが必要です。お片付けができることで、褒められる機会も増え、またお片付けがしたい気持ちになれるでしょう。叱られてばかりでは、お子さんもお片付けや整理整頓をしなくなる可能性もあります。

おわりに

今回はお片付けや整理整頓ができない子供に対する支援方法や対策をご紹介させていただきました。周囲の大人や親御さんの助けをかりることで、お子さん自身も上手にお片付けや整理整頓ができる自信に繋がっていきます。成長するには、繰り返しの練習が特に大事です。お子さんが物を見ることに対して苦手さが見られる時は、写真や色分けなどをして視覚的な支援をしてあげることも大切です。

そのような支援を継続し、自身がついていくことで最終的には一人でもお片付けや整理整頓ができるようになっていくでしょう。子供の時期から、しっかりと物が整理された環境で過ごすことは大人になってからも大いに影響されます。

てつ先生

経歴:作業療法士 11年目

作業療法士として働いています! 感覚統合や運動療法、作業活動などを通して、子供達が楽しく成長出来る事を目指して日々努力しています。

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