【育児疲れ】ママが行き詰った時の乗り越えかたは?やるべき事

ライター:公認心理師*けい先生

2024.07.17

良い母親でいたい、良い父親でいたい、子どもはいつもご機嫌よく、笑顔でいてほしい…親なら誰もがそう思うでしょう。ですが、子育てはなかなか思い通りにはいかず、親は日々、ストレスを感じるものです。特に、自己主張が強い、敏感、こだわりが強い、動きが激しい、といったタイプのお子さんと向き合う保護者はなおさらだと思います。理想通りの子育てができず、こんなはずではなかった、とつらくなることもあるかもしれませんね。この記事では、子育てで保護者が精神的に行き詰まった時に、どのように考え、何をすべきなのか、公認心理師が、大事なポイントをお伝えします。

じわじわと精神的に行き詰まっている状態のとき

セルフモニタリング

「今、自分は元気?」「心はどう?」と自分に聞いてみましょう。自分の状態を客観的に見るもう一人の自分を意識するようにします。

リフレーミング

「私はダメな親だ」と感じた時「本当に?」と自分に尋ねます。また、もし自分の親友がそんな風に言っていたら何と声をかけてあげるのか考えてみます。「大丈夫」「ダメじゃないよ、がんばってるね」と声をかけるとしたら、同じように自分で自分に声をかけ、自分を励ましましょう。  精神的に行き詰まると、物事を一方からしか見られなくなりがちです。  「うちの子は言うことを聞かない」⇒「自分の気持ちをきちんと言える子」  「じっとしていなくて大変」⇒「元気で活発」  「繊細で敏感過ぎる」⇒「危機管理能力がある」とネガティブなことばをポジティブに変換しましょう。

クリティカルシンキング(批判的思考)

「当たり前」と思っていることを疑うようにします。「子育ては〇〇であるべき」のような思い込みはないでしょうか。疑ってみて、別の考え方はないか考えてみましょう。広い視野を持てると余裕ができます。子育てに正解はないものです。自分を責めないようにしましょう。

とにかく話をする

行き詰まった時には誰かに話をしましょう。ひとりで抱える負の感情は、不思議なほどぐるぐると悪循環を始めます。抱え込まず、一旦、その気持ちを誰かに話すと、気持ちが整理できたり、客観的に見られたりします。

怒りを収める「6秒ルール」

精神的に行き詰まってくると、ちょっとした出来事が爆発的な怒りにつながることがあります。こんな時は、怒りの感情はずっとは続かない、ということを思い出してください。とりあえず6秒間やり過ごせれば、収まっていくと言われており、アンガーマネジメントでは「6秒ルール」として知られています。お子さんから離れて、別の部屋に行く、トイレにこもるといったことも効果的です。

子どもを預ける

保育園や一時保育、ベビーシッターなどに思い切って預けましょう。自治体には子育て支援のサービスもあると思います。いざという時、ママ・パパが一息つく時間を作ることは大切です。 一時保育等で同年代の子たちと生活したり、ママ・パパではない人と過ごしたりする経験は、お子さんの成長にもつながります。

気持ちの行き詰まりが酷いとき

ゆっくり休む

行き詰まって心も身体も動かない・・・このような時は緊急事態と考え、自分とお子さんの命を守ることが一番大切、とがんばるのをお休みしましょう。充分がんばってきたのですから、家事も育児も一人で何とかしようとしないことです。我慢して日を過ごさず、誰かに自分の気持ちを話して、ゆっくり休めるようにしましょう。

第三者に助けを求める

パートナー、自分の親、友達…近しい人には返って話しにくい、ということもあるかもしれませんね。そんな時は、近くの保健センターや子ども家庭支援センター、児童相談所などに連絡しましょう。交番に駆け込むママ・パパもいます。しかるべきところに連絡を取ってくれますので大丈夫です。行動を起こせば、誰かが一緒に考えてくれます。誰かに助けを求められたら、半分は解決すると言ってもよいかもしれません。

おわりに

よい親になろうとがんばるママ・パパほど、いつの間にか精神的に追い詰められていきます。「ほどよい」親を目指しましょう。相談機関を初めて利用する時は敷居が高いかもしれませんが、スタッフたちは皆さんを待っています。お住まいの近くに保健センターや子育て支援センターには、心理士がいたり、遊びのグループを紹介してくれたりするかもしれません。小学校にはスクールカウンセラーもいます。ひとりで抱え込んで我慢せず、SOSを出すようにしましょう。

レスパイトケア先
・日中一時支援
(日中一時支援+お住まいの地域で検索)
・児童発達支援事業所
(受給者証があれば通える)
・発達障害児対応ベビーシッター
(障害児を対応してくれるシッター在籍)

けい先生

経歴:心理士 27年目

心理士 27年 発達の偏り、不登校などの子育ての相談業務を担当してきました。2児の母です。